コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

非専門医が行う肩関節脱臼の整復

肩関節脱臼の整復の整復について ◯注意点 まずは骨折と腋窩神経損傷がないかを整復前に確認します 腋窩神経麻痺(えきかしんけいまひ) - 古東整形外科・リウマチ科 こちらの領域の感覚低下がないかを確かめます。 さらに整復前にかならず、麻痺、脱力、骨折…

痙攣重積のMRI所見と痙攣重責の治療について

痙攣でセルシンを打って痙攣は改善したけど、不随意運動が残存。意識レベルは不良。 痙攣はしていないけど、不随意運動があるので、痙攣重積では? 非けいれん性てんかん重積状態脳波ではてんかん発作性異常を認めるものの、けいれん発作を伴うことなく意識…

医学英語論文の構造 

読んでみました。 正直、医学的な論文の書き方と経済学分野の論文の書き方では異なる点が多いのですが、参考になりました。 RAPフレームワーク →Research Question Answer Positioning Statement の3つで考えるというのが参考になりました。 PがRの位置づけ…

大浦先生 ライブマルモレクチャー+臨床倫理カンファレンス

大浦誠先生が奈良に来るとSNSで知ったので、急遽、大浦先生に市立奈良に来て頂くことになりました!! 大浦先生はマルチモビリティ(マルモ)でご高名な先生です。 以下の連載は、必須ですね。 マルモの診かた総論(後編) | 2020年 | 記事一覧 | 医学界新聞…

急性前立腺炎と前立腺膿瘍について

Bacterial Acute Prostatitis - StatPearls - NCBI Bookshelf 急性前立腺炎の治療期間は糖尿病などの免疫不全や尿路閉塞などの合併症がなければ、2週間でも許容されるが、前立腺膿瘍のリスクがある場合は、膿瘍形成を防ぐために最低4週の治療が必要となる。 …

結核と非結核性抗酸菌のCT所見の違いについて

Comparison of chest CT findings in nontuberculous mycobacterial diseases vs. Mycobacterium tuberculosis lung disease in HIV-negative patients with cavities - PMC 結核と非結核性抗酸菌を鑑別できるCT所見はなにか? 目的 本稿では,HIV陰性患者の…

消化管異物いろいろ

なぜか、消化管異物が続いているので、軽くレビュー 魚骨は誤飲の原因として多い Characteristics of fish-bone foreign bodies in the upper aero-digestive tract: The importance of identifying the species of fish | PLOS ONE 耳鼻科領域の魚骨誤飲で…

アルコール依存症の認知機能低下で考えるべきこと。

アルコール依存症の急激な認知機能低下で考えることは? アルコール依存症による認知症と考えがちだが、特にTreatableな要素はないかと考えることが重要。 まずは、髄膜炎や脳炎を疑う所見がないか? その意味では髄液検査は最も重要な検査のひとつ。 細菌性…

誤嚥のリスクが上がるほど肺炎による死亡率は上昇する

Impact of the number of aspiration risk factors on mortality and recurrence in community-onset pneumonia - PMC はじめに肺炎患者における誤嚥危険因子の数の臨床的意義はいまだ不明である。本研究では、肺炎患者の死亡率および再発率に対する誤嚥性危…

原因不明の体動時の腹痛では圧迫骨折などの脊椎病変を考える。

原因不明の腹痛ではACNESが注目されているが、圧迫骨折などの脊椎病変が原因不明の腹痛の原因であることは、あまり知られていない。 総合内科ただいま診断中でも、以下のように記載していた 体動時、特に体幹を回旋させた時に悪化する腹痛は下位胸椎疾患を念…

非結核性抗酸菌症は髄膜炎をきたしうるのか?

Nontuberculous mycobacterial meningoencephalitis in a young healthy adult: A case report and literature review - ScienceDirect 非結核性抗酸菌症(NTM)は髄膜炎をきたすことは、まれ。 基本的にはHIVに続発する事が多い。 https://www.scopus.com/r…

急性発症で進行性の感覚低下を認めるが筋力低下がない場合に考えること Pure sensory Guillain-Barré syndromeとacute sensory and autonomic neuronopathy  

Pure sensory Guillain-Barré syndrome: A case report and review of the literature - PMC 運動障害がなければギラン・バレー症候群は否定的だとして、急性発症で進行性の感覚障害のみの場合はどう説明するのか? 6人の純粋な感覚障害のみで運動障害を有…