コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

2016-01-01から1年間の記事一覧

梅毒のレクチャー

■症例 ・68歳男性 ・主訴:心窩部痛 ・現病歴:約1年前から心窩部に間欠性の痛みを自覚していた、様子をみていたが、症状が徐々に悪化しており、心配になったため、受診。 →癌などもあるだろう、EGD予定とした →当院では、EGD前に感染症検査をする決まりにな…

秋田の問診WS報告

チーフの森川が東北若手医師ネットワークの皆様と先日秋田で問診のWSを行いました。 皆様のおかげで非常に充実したWSでした! 問診の総論で森川が使ったスライドを一部共有します! ということで

腸管ベーチェットのレビュー

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4385527/ 稀な疾患で10万人当たり、7.5-13人 致死的になり得る合併症 通常、口腔病変発症後4.5-6年で発症する 主な症状は、腹痛、嘔吐、下痢、消化管出血 回盲部病変が一番多い。 〇食道病変 食道病変は一般的…

CPPD陶山Dr

CPPDの歴史 ・1960年に痛風患者の関節液からMSUを発見 ・1960年代のlancetのstudy。人と犬の関節液にMSU関節液を注射⇒失神しそうになり代替前面に発赤・腫脹。 ・1962年のstudy⇒結晶の解析で痛風と偽痛風が鑑別。 CPPDの分類 関節炎なし 関節炎あり⇒Acute Ch…

アナフィラキシーについて

症状・バイタル・身体所見 ・皮疹は90%で認められるが認めなくても否定は出来ないことに注意する。 ・頸部で聴取するStridorは診断において重要であり、意識して聴取しないと見逃すこともあり得るため見逃さないように注意する。ただし時に喘息の急性増悪と…

徳田先生カンファレンス 2016年 9月6日

本日は徳田先生カンファレンスでした! 高齢男性の転倒後動けなくなった・・ 左下腹部痛もある。 動けなくなった原因は? 大腿骨頸部骨折には聴性打診が良い! 聴性打診は慢性硬膜下血腫や胸水の検出にも良い。 結局腰痛で動けない。 L5レベルの脊椎叩打痛…

臨床推論カンファレンス 2016年9月2日

本日は臨床推論カンファレンスでした! 中年男性 高血圧とDM既往あり。大動脈解離の既往もある 2時間前からの呼吸苦で来院。 喫煙歴あり。COPD既往あり。 アルコール、造影剤でアレルギーあり。 意識は清明だがかなりシック。 BP82/57 HR102 SpO2:90RA RR20 …

嘔吐のフレーム

嘔吐のフレーム Am Fam Physician. 2007 Jul 1;76(1):76-84. より一部引用 ・嘔吐はVOMMIT-SAHで考えると分かりやすい。 ・網羅的に嘔吐の原因を考えることが重要である。 ・Vascular (心血管系疾患) 心筋梗塞、大動脈解離、不整脈、急性心筋炎 ・Omedeta …

ベアメタル? or 薬剤溶出ステント?

P:18歳以上の 安定型狭心症 or ACS患者 除外基準 既にステントが入っている、分岐部でありステントを2つ使用した、冠動脈疾患以外の重篤な病気で5年生存が見込めない、他のトライアルに入っている、薬剤の合併症が問題になる、ワーファリンを内服、臨床医の…

COPDに対するLAMAとLABAの比較

COPDに対してLAMAとLABAのどちらが優れているか? Tiotropium versus Salmeterol for the Prevention of Exacerbations of COPD Claus Vogelmeier, M.D., Bettina Hederer, M.D., Thomas Glaab, M.D., Hendrik Schmidt, Ph.D., Maureen P.M.H. Rutten-van Mö…

NIHSSについて

副腎不全のマニュアル

〇病歴 ・倦怠感・脱力感・易疲労、食欲低下・消化器症状(悪心、下痢、腹痛)を高頻度に認める。 Intern Med. 1994 Oct;33(10):602-6 ・抑うつなどの精神症状や意識変容、行動異常も認められうる。 ・全身の痛みや関節痛を認めることもあり、リウマチ性多発筋…

根本先生感染症(抗菌薬)レクチャー 

本日は総合内科内科の、元医局長の根本先生に感染症(抗菌薬)レクチャーをして頂きました!!大変、勉強になりました。根本先生ありがとうございました!! 〇アミノグリコシド GNRへの特効薬。 緑膿菌にも効果的だがGPCには効かない。 特に尿路感染で効果的 1…

訪問看護指示書の書き方

臨床推論カンファ 2016年8月26日

本日は臨床推論カンファでした! 70台女性の倦怠感、浮腫 抑うつ傾向 倦怠感 体重減少 便秘 で来院。 食欲はあると バイタルは問題なし。 既往歴も内服薬も特記事項なし。 まずは、全身性浮腫の鑑別で考える 肝臓、腎臓、心臓、甲状腺、薬の5大疾患 甲状腺は…

関節リウマチ 診断

関節リウマチの診断 診断基準 2010 ACR/EULAR http://www.ryumachi-jp.com/info/news120115.html より引用 当然炎症反応や血清反応は提出するのだが、関節の腫脹・圧痛の評価が大切。 また症状が継続していることも重要。 http://www.igaku-shoin.co.jp/misc…

臨床推論カンファ 2016年8月19日

本日は臨床推論カンファでした! 特に既往のない中年男性の突然の右下腹部痛と嘔吐。 精巣捻転は否定したいが、圧痛なし。 というか、痛みは自然に消失! 結局、立位で息を止めたら、右鼠径部が膨らんで、同部位のエコーでは腸管が! 鼠径ヘルニア陥頓と診断…

志水先生カンファ 2016年8月19日 

本日は志水先生のカンファでした! 今回は慢性経過の下腿浮腫で来院した高齢患者さん。 ①volume over ②蛋白漏出 ③透過性亢進 の3つに分ける。 起立性低血圧は重要なフィジカルで、①volume低下 ②血管拡張 ③自律神経障害の3つに分けて考えるのが重要。 結局、…

帯状疱疹について 治療

〇帯状疱疹の抗ウイルス治療 ・免疫不全者では全例、抗ウイルス療法の適応となる。 ・免疫正常者では、50歳以上、中~重度の痛み、重度の発疹、顔面・眼が侵されている時、帯状疱疹の合併症を起こしている時は抗ウイルス療法の適応となる。 N Engl J Med 201…

帯状疱疹ワクチンの効果 NEJM2005

N Engl J Med 2005 Jun 2;352(22):2271-84. PMID::15930418 【背景】 帯状疱疹の罹患率や重症度は年齢とともに上昇し、帯状疱疹になる人のうち半分以上は60才以上である。帯状疱疹に なった高齢者の半分は合併症をおこし、最も多いのが帯状疱疹後神経痛(PHN…

終末期患者におけるスタチンの効果

Safety and Benefit of Discontinuing Statin Therapy in the Setting of Advanced, Life-Limiting Illness: A Randomized Clinical Trial | May 01, 2015 | JAMA Internal Medicine | JAMA Network ■abstruct importance 予後が限られた患者において、治療…

人工関節感染レビュー NEJM

人工関節感染のNEJMのレビューを読んでみました! http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMcp0905029

城東祭り報告!!

先日、8月6日に城東祭りを無事に行うことが出来ました! ①問診WS ②野獣クラブオフライン(臨床推論カンファ) ③徳田先生フィジカルクラブ と盛りだくさんの内容でした。 アンケートを見ていても満足度も高げで良かったです。 城東病院総合内科スタッフ、院長・…

頭痛のフレームについて

頭痛のフレーム ・頭痛は臨床的に雷鳴様頭痛、頭蓋内疾患、頭蓋外疾患、機能性頭痛の4つに分類するのが有用である ●雷鳴様頭痛 雷鳴様頭痛の鑑別 ・クモ膜下出血 ・静脈洞血栓症 ・頚動脈/椎骨脳底動脈解離 ・下垂体卒中 ・特発性低髄圧症候群 ・第3脳室コロ…

敗血症性ショックに対するバソプレシンについて

P:16歳以上の敗血症性ショックの患者 感染症+SIRS基準を満たし、フルイドチャレンジを行い最小用量 5 μg/分のノルエピネフリンを投与されている患者 除外基準 13.9% >24 Hr had elapsed12.8% Had unstable coronary syndrome10.1% Received open-label vaso…

ICU レクチャー 城東 2016年7月26日 

ICU CU

血性関節液の原因について

血性関節液を呈した偽痛風の症例を経験しました。 血性関節液の原因についてまとめました。 ①外傷 ・医原性 ・骨折 ・骨折を伴わない外傷性 ②凝固障害 ・薬剤性 ・先天性凝固障害 ・後天性凝固障害 ・壊血病 ③神経性 シャルコー関節 ④腫瘍 滑膜腫瘍 ⑤血管の…

慢性心不全とβblocker

ランドマークスタディとして1996年のカルベジロールの大規模RCTで慢性心不全への効果が証明された。 http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM199605233342101 P EF<0.35の慢性心不全 ACE-Iと利尿剤が導入されている 除外項目 3か月以内のmajorな心血管イ…

低ナトリウム レクチャー

Case 22-2016: A 65-Year-Old Man with Syncope, Dyspnea, and Leg Edema

ネタバレ注意 65歳男性。 徐々に呼吸苦と下腿浮腫出現。失神して来院。 JVD++ C-V wave あり。 ejection murmur+pan systoric murmur ここまでは心不全の病歴。特にTRが疑われ、右心不全が疑われる。 ただ、おかしいのは顎下リンパ節が腫れていて、さらに縦…