関節リウマチの診断
診断基準 2010 ACR/EULAR
http://www.ryumachi-jp.com/info/news120115.html より引用
当然炎症反応や血清反応は提出するのだが、関節の腫脹・圧痛の評価が大切。
また症状が継続していることも重要。
http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/medicina/seiroka4411/ より引用
ひとつ、ひとつ丁寧に関節を診察していく。
特にRAではPIP関節の触診が大切。
滑膜肥厚は診察である程度推定可能。
第1指と第2指で挟みこむように診察する。
関節リウマチの鑑別疾患(日本リウマチ学会ホームページより引用)
つまり他の関節リウマチ mimicの除外が重要。
特に以下の疾患は鑑別疾患として重要。
〇リウマチ性多発筋痛症 /RS3PE症候群
〇結晶性関節炎
〇ウイルス性関節炎(特にパルボウイルス)
〇変形性関節症
〇全身性結合組織病
〇血清反応陰性関節症
〇細菌性関節炎(IE含む)
これらの鑑別には
①急性 or 慢性
②多関節炎 or 単関節炎
③関節炎の性状
④関節の部位
⑤関節外症状
などが大切
①、②は組み合わせで4つに分類
・急性単関節炎
・急性多関節炎
・慢性多関節炎
・慢性単関節炎
の4つに分類可能
関節リウマチは典型的には慢性多関節炎に分類。
しかし初期では、急性単関節炎 or 急性多関節炎となる。
細菌性関節炎および結晶性関節炎は典型的には、急性単関節炎。
しかしIEでは急性多関節炎を取り得る。
また結晶性関節炎もリウマチ様の多関節炎になり得る(関節液で結晶を証明するのが診断において大切)。
ウイルス性関節炎は急性多関節炎で自然に改善する。
慢性多関節炎であれば、血清反応陰性関節炎、全身性結合組織病との鑑別が大切。
また厳密には関節炎ではないが、変形性関節症とPMR/RS3PEとの鑑別が大切。
高齢者では、慢性多関節炎としてCPPD diseaseが鑑別として重要。
〇関節炎の性状
file:///C:/Users/toorumorikawa/Downloads/resident0812-4.pdfより引用
関節リウマチでは滑膜肥厚を反映して、軟らかい腫れを触知。
変形性関節症は、ゴツゴツして骨棘形成を伴う。炎症は乏しい
血清反応陰性関節炎は、腱付着部炎を伴う(特にアキレス腱)
SLEの関節炎はRAよりも関節の変形が乏しく、整復可能(ジャクー関節症)
〇関節の部位
・関節リウマチ
PIP関節、MP関節が多い。他に手関節、MTP関節も。
高齢者では肩関節のRAが多い。
対称性関節炎を呈する。
解剖学的には滑膜炎がメイン。
・血性反応陰性関節炎
関節リウマチと違い、PIP、MP関節、手関節だけでなく、DIP関節にも起こるのがポイント。
解剖学的には腱付着部炎がメイン
・リウマチ性多発筋痛症/RS3PE
解剖学的には滑液包炎がメインの病態。
末梢関節炎はきたしにくい。
ただし、高齢発症の関節リウマチもPMRも肩痛で発症。
リウマチ因子や抗CCP抗体が陰性では鑑別が難しい・・
エコーやMRIで、滑膜炎か滑液包炎か鑑別するのは有用かもしれない
・変形性関節症
〇関節外症状
・関節リウマチ
胸膜炎、間質性肺炎・胸膜炎・細気管支炎、皮膚潰瘍、リウマトイド結節
・全身性結合組織病
レイノー現象、ドライアイ・ドライマウス、ゴットロン・ヘリオトロープ、筋力低下、日光過敏、蝶形紅班、間質性肺炎、尿蛋白 etc
・血清反応陰性関節症
乾癬、下痢、血便、ブドウ膜炎、背部痛、掌蹠膿疱症
・細菌性関節炎(IE含む)
結膜点状出血、septic emboli、心雑音