Blue finger syndrome
指が急に黒色壊死したら?
まずは、Achenbach症候群は、ぱっと想起します。
ただし、明らかに壊死しており、手の痺れや炎症反応上昇などを伴う場合はBlue finger syndromeとして、原因疾患の検索を行います。
こちらは過凝固症候群にともなうBlue finger syndrome
Blue finger syndromeの鑑別は以下の通り
○動脈血流量の減少
Embolism
・コレステロール塞栓
・動脈瘤
・心臓粘液腫
・感染性心内膜炎
・Intimal angiosarcoma of the aorta
Thrombosis
・傍腫瘍症候群
・TTP/DIC
・抗凝固薬による皮膚壊死
血管収縮
・SLE
・薬剤性
・凍傷
・Acrocyanosis
・昇圧剤使用
血管壁
・血管炎
・バージャー病
・強皮症
・クリオグロブリン
・SLE
・梅毒
その他:calciphylaxis
○静脈還流の低下
・広範な静脈血栓症
・Phlegmasia cerulea dolens
・Venous gangrene
○血液の過粘着性
・クリオグロブリン血症
・ワルデンストーム・マクログロブリン血症
・骨髄増殖症候群:真性多血症、本態性血小板増多症
・寒冷凝集素
以下、診断アルゴリズム
外傷・咬傷、呼吸不全などは除外
寒冷で悪化するかがポイント
寒冷で悪化しない場合は、末梢の動脈が触知するかで鑑別
触知しないなら末梢の血栓症
触知するなら以下の鑑別
寒冷で悪化する場合は以下
・寒冷で悪化するが温めるともとに戻る→レイノー
・寒冷で悪化 ベースでチアノーゼ →原発性 or 二次性チアノーゼ
・寒冷がきっかけで病変が発症
虚血/熱傷
急性発症の紫斑±壊死 →クリオグロブリン
慢性経過→凍傷様ループス premio chilblain lupus
なお、抗核抗体、ANCA、抗リン脂質抗体、クリオグロブリンなどの検査にすぐに走りがちですが、心血管疾患や心房細動の有無、血液培養、悪性腫瘍の検索、免疫グロブリンのチェックなども必要ですね。
特に、血液培養は抜けがちですが、重要です。