コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

アナフィラキシーについて

 

症状・バイタル・身体所見

・皮疹は90%で認められるが認めなくても否定は出来ないことに注意する。

・頸部で聴取するStridorは診断において重要であり、意識して聴取しないと見逃すこともあり得るため見逃さないように注意する。ただし時に喘息の急性増悪と見誤れることある。

・SBP<90mmHgは低血圧の目安であるが、ベースラインから30%低下している場合も有意とみなすべきであり必ず普段の血圧を確認する。

・アレルゲンの曝露後に、気道・呼吸器・循環・消化器・皮膚の5つ(ABCDS)が出現することが大切であるが、全て揃う必要はない。

 

 

治療

エピネフリンの筋注はアナフィラキシー治療の第1選択であり速やかに行うべきである。

低血圧を認めれば速やかに細胞外液を全開で投与すべきである。

 

エピネフリン

エピネフリンアナフィラキシーの本態である肥満細胞の脱顆粒を抑制する。

・可能な限り早く認識して、エピネフリンを大腿外側に筋注することが何より大切である。

エピネフリン投与の遅れは死亡率上昇につながる。

・筋注の部位は大腿外側が第1選択である。筋肉量が豊富で速やかな血中濃度の上昇が期待できるためである。