精巣捻転を経験したのでレビュー読みました。
https://www.aafp.org/afp/2013/1215/p835.html
Testicular Torsion: Diagnosis, Evaluation, and Management
まず推奨から
⇒カラードプラーは有用な診断方法だがそれでコンサルトを遅らせない
⇒身体所見で疑わしければ速やかにコンサルト
⇒捻転の用手的整復は手術が難しいときは考慮するが、そのために手術が遅れてはならない。。
ということで疑わしければ速やかに泌尿器コンサルトですね。
〇疫学
新生児と思春期の2峰性
新生児では予後不良になりやすい。
〇機序
精巣鞘膜外 or 精巣鞘膜内 に睾丸が捻じれることで静脈内圧があがり虚血になる。
bell-clapper deformityがあると捻じれやすくなる。
鑑別疾患
精巣上体炎など含めて、鑑別は多岐に渡る。
⇒性交渉歴なども重油尾
しかし、精巣捻転は真の緊急疾患なので、急性発症の陰嚢痛、特に痛みが強い場合はまずは精巣捻転として泌尿器科コンサルトせざるおえない。
〇身体診察
まず、著名な睾丸の圧痛を認める。
睾丸の位置の異常を認める。
水平方向の位置異常で左右差がある(自験例は、頭側かつ背側に位置していました。)
精巣挙筋反射の消失は極めて重要(自験例でも消失していました)
https://slideplayer.com/slide/6554977/
このように大腿をピンなどで、こすることで、精巣が持ち上がる反射が誘発されますが、精巣捻転では認めなくなります。
精巣挙筋反射の動画
https://www.youtube.com/watch?v=eVvInQNyXIU
また、本当に捻じれる前に捻じれかけて戻るということを繰り返していることが多いので、先行する同様の痛みの病歴が極めて重要(実際にありました)
〇エコー
カラードプラーは有用
健側と比べて病側でドプラーが低下していることが診断に有用。
精索の形態異常がエコーで分かることも。
ただしエコーに時間をかけすぎない!
https://www.slideshare.net/shaffar75/doppler-ultrasound-of-acute-scrotum-23607822
診断のアルゴリズム
身体所見で明らかであれば、エコーはせずに泌尿器科にコンサルトしてよい。
〇治療
治療は、速やかな泌尿器科コンサルトが何より重要。
迷えば、コンサルト。
手術は捻転の解除と、再捻転予防の固定術。
すぐに手術が難しければ徒手整復も考慮。
徒手整復は、内側から外側へ 「本を開く」のように手を回すとのことです。
ただし、整復できても手術しなくてよいとは決してならないことに注意。
以下のブログを参照
https://ameblo.jp/fukuoka-er/entry-12025451139.html
ステップビヨンドレジデント 3 外傷・外科診療のツボ編 にも記載ありました。