プライマリ・ケア連合学会 若手病院総合医チーム主催 病院総合医必読文献top5 @冬セミナー
〇酸素投与の害 原田先生
必要最低限の酸素投与でよいという流れ
Lancet 2018 391 1693-1705
メタアナリシス
NN71 過剰な酸素投与で71人に一人が死亡
SpO2:1%上昇で25%の院内死亡
急性疾患でSpO296%以上は酸素投与をやめる
SpO2:90-92なら酸素投与しない
〇酸素を低めにする疾患郡
OSAS
肥満低換気
〇酸素を多めに投与する疾患郡
CO中毒
〇宮上先生 インフルエンザ
インフルエンザが大流行している
インフルエンザの予防接種の意味は?
65歳以上に予防接種したら50%インフルエンザを防げる
さらに肺炎、入院、死亡率も低下
ann intern med 1995 oct 1 123 7 518-27

what transmission precautions best conterol influenza spred hospital
ワクチンを含めた包括的な感染対策を行えば40%インフルエンザを防げる
手洗い、マスクを100%徹底したら29%の新規のインフルエンザを予防。
手洗いがマスクより効果的だった。
ゾフルーザとタミフルで症状改善に差がなかった。
N EJM 2018 sep 6 379 10 913-923

抗インフルエンザ薬はハイリスク郡のみ投与
5歳未満、65歳以上
妊娠中 産後2週間
老人ホーム、施設
基礎疾患(喘息、認知症、心疾患、肝腎機能障害)
糖尿病
免疫不全
ハイリスク郡に加えて医療従事者、学校の先生など広げる可能性が高い人に予防投与
予防投与するならタミフル?
〇松本先生 リハビリ
まずはICFで考える

機能 筋力低下 圧迫骨折の亀背 両膝痛
活動 歩行器レベル 軽介助でトランス
参加 元々は、入院前は妻の主介護者 買い物などはやっていた
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2714300
Effect of Exercise Intervention on Functional Decline in Very Elderly Patients During Acute Hospitalization
P 急性期病棟に入院した超高齢者 要介護2くらいまでのイメージ
I 1日2回各20分のリハビリを 5-7日 おもりを使った筋トレ、バランス訓練、歩行訓練 48時間以内に開始
C 通常郡(必要に応じてリハビリ)
O Barthel index(ADLとその周囲の指標) の変化
SPPB(バランス、歩行速度、椅子からの立ち上がり)の変化
高齢者が入院すると半数が機能低下し施設入所や死亡率増加につながる
認知機能低下、マルチモビリティの人たちをあえて扱った論文
・ベースライン
〇結果
BIは介入郡で改善し、非介入郡で悪化した
SPPBも介入郡で改善し、非介入郡で悪化した。
認知機能や気分障害も良くなるかも。
早期リハビリで身体機能が改善するというだけでなく、対照群では入院に伴って身体機能がベースラインより悪化したというのがポイント。
〇再入院予防 本多先生


Effectiveness of early discharge planning in acutely ill or injured hospitalized older adults: a systematic review and meta-analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=23829698
P 急性疾患 外傷で入院した高齢者 70-80歳 心不全、大腿骨頸部骨折
I 早期に退院に向けたプランニング early discharge planning
C 通常郡
O 再入院率 入院期間 再入院時の入院期間
介入:機能の評価 家族への教育、薬剤調整、退院後の医療従事者との情報伝達、退院後の情報共有
再入院率が22%減少 12人に行うと1人の再入院を減らす
再入院時の入院期間 介入郡で2.47日減少
〇医療の質 菅澤先生

聖路加の水野先生の論文
PMID 28476514
DPCデータの後向き解析
E カルペリチド使用
C カルペリチド未使用
O 院内死亡入院費
ロジスティック回帰モデル
傾向スコア propensity score マッチング
SPELL 参照
Primary outcome
院内死亡率 カルペリチド使用郡が死亡率が高かった
カルペリチド使用したほうがコストも高かった。

カルペリチドが全てダメというわけではない。
カルペリチドは、医療の質を考えるうえで重要
Clinical Question⇒Research Questionに落とし込み、Publishするというリサーチの重要性という意味でもこの論文は重要。

〇まとめ

非常に実りがあり参加者の満足度が高い勉強会だったと思います。
最先端の内科の知識ももちろん必要ですが、普段見ているコモンな問題を深く掘り下げるという意味でこれらの論文を紹介することはとても意義があったことだと思いました。
病院総合医の遣り甲斐という意味を考えるうえでも大きな勉強会だったと思います。
皆様、本当にお疲れさまでした!!
病院総合医の遣り甲斐や面白さをこれからも伝えられればと思います!