MNA-SFによる低栄養という評価は予後不良因子
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.14442/jgfm.17.1_90
P 総合診療科の急性期病棟に入院した患者
*短期間の検査入院は除く
E MNA-SFで低栄養(0-7ポイント)、MNA-SFで低栄養の危険アリ(8-11ポイント )
C MNA-SFで栄養状態良好と判断(12-14ポイント)
O
Primary outcome 死亡、合併症(感染症、臓器不全、悪性腫瘍、経口摂取不能)
Secondory outcome 入院期間、退院した割合
単施設の前向きコホート研究
入院期間のみ評価を行った。
MN-SFと上記のoutcome(予後)との関連をみた研究
2013年7月1日から2013年10月31日に入院した患者を対象に電子カルテで検討
outcomeはマスキング出来ないが、評価者の主観は入りずらい
〇単変量解析について
カテゴリー変数でデータ数が5以下ならフィッシャーで検定
連続変数ではパラメトリックならウェルチ(分散が大きいから?)、ノンパラメトリックならKruskal-Wallis
統計学的に有意: P value of less than 0.05.
3郡で比較する場合は、benferoniを使い、その場合はP value of less than 0.01で計算
1000person-daysでリスクを計算
カプランマイヤー法で生存も解析
合併症は、コックスハザードモデルで多変量解析(年齢、性別、入院目的)
単変量解析の結果
低栄養郡ほど、高齢、BMI低値、ALB低値、リンパ球低下、CRP高値、感染症、内分泌代謝疾患、が多い傾向。
低栄養郡はリハビリしている人も多い
死亡率は低栄養郡で多い
合併症も低栄養郡で多い
〇死亡率の生存曲線
〇合併症の生存曲線 多変量解析をしても優位に低栄養郡で不良
入院期間はwelchで自宅退院はフィッシャーで評価
入院期間は低栄養郡で長く、自宅退院率は低栄養郡で低い。
〇感想
統計学的検定が非常に、きっちりされていて、好感が持てる試験。
統計の勉強にもなりました。
低栄養郡で予後がわるいという臨床的感覚を、形にした優れた研究。
単施設で電カルを使って行ったとのことだが、実現可能性も高く臨床研究をやりたい先生のお手本にもなるだろう。
MNA-SFは低栄養の指標及び、予後予測のためのツールとして優れているということは言えそう。
あとは、実際にどのように介入に繋げるかが今後の課題か。