https://bmchealthservres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12913-020-05347-7
○PECO
P プライマリ・ケアに受信する患者
E 家庭医療プログラム(FPIC)を導入した群
C 家庭医療プログラム(FPIC)を導入しなかった群
O
緊急入院、ERの受診
○目的
FPICが救急の利用率と入院率を低下させたかどうかを判断し、FPICに影響を与える要因を特定すること
○研究デザイン
全国規模 大規模 後ろ向きコホート
性別、年齢、収入、地域(都市化)、チャールソン併存疾患指数(CCI)などの変数を用いた、傾向スコアマッチングを実施
○主要な統計解析
カイ二乗検定を使用して、性別、年齢、月収、地域、CCI、外来通院の年間頻度、医療機関のオナーシップ、などの違いを検定
一般化推定方程式(GEE)モデルを使用してロジスティック回帰分析
差の差分析として、性別、年齢、月収、都市化レベル、CCI、外来通院の年間頻度、医療機関のレベル、および医療機関のオーナシップを用いた
○主要な結果
差分デザインによるGEEモデルでロジスティック回帰を行ったところ,両群間で救急受診や入院の減少が見られなかった.
参加者の入院リスクはFPIC加入後1年間で増加した(OR:1.11,95%CI:1.03-1.20,P<0.05)。
しかし、FPICに加入した参加者は、FPICに加入しなかった参加者と比較して、加入後6年目と7年目の入院のリスクが8%低いことを示した(OR:0.92、95%CI:0.85-1.00、P < 0.05)
→もともと医療費が高い患者がFPIC群に割り振られるため、FPIC群のほうが入院率が高いが、年次とともに徐々にその差が埋まり、差の差分析では、FPIC群がむしろ、入院率を低下させる結果
○結論
台湾の全国規模のFamily Physician Integrated Care Programは長期的な入院は減らすが短期的な入院は減らさない。 ER受診も減らさない
○感想
差の差分析の非常にきれいな研究か
プライマリ・ケア制度導入による医療費抑制や入院抑制という政策決定という意味でも意味がある研究か
日本でもこのような国を上げてのプライマリ・ケア政策の立案と、それに付随したビックデータ研究が望まれる