献本御礼 フレームワークで考える内科診断
田中先生から献本いただきました(COIあり)
そもそも、なぜ私に献本いただいたかというと、拙書の総合内科ただいま診断中がきっかけです。
数年前の本ですが、意外にまだ学生さんが読んでくれていて嬉しいです。
同書で扱った概念が「フレーム法」で、フレームワークで臨床推論を考えようという趣旨でした。
特に、初学者が直感的診断を急に考えることは難しいため、まずは型を覚える。
その型が、フレームワークであるという方法です。
例えば、不明熱は、感染症、膠原病、悪性腫瘍、薬剤の4つで考えるというのもフレームワークです。
また失神は、心血管、起立性低血圧、頭蓋内疾患、迷走神経反射の4つで考えるというのもフレームワークです。
特に、研修医の先生が臨床推論を学ぶ際は主訴ごとのフレームワークを先に学ぶとよいと言って来ました。
詳細は以下。
jyoutoubyouinsougounaika.hatenablog.com
今回、出版社から本書を翻訳するうえで、意見を求められました。
フレームワークを臨床推論に応用するということに関して、全く同じ考え方をする方が海外にもいることに驚きました。
また、内容も非常に緻密であり、これは素晴らしい本になると返事をしました。
そして、それがついに翻訳されました。
監訳の田中先生のご尽力に頭が下がります。
内容を見ると、主訴や検査以上、病名ごとにフレームワークがきれいに整理されていて、驚きました。
私も総合内科専門医ですが、内科診断学いや総合内科という分野自体が、「整理」の学問であると考えています。
臨床や論文などで培った、臨床知が精緻にフレームワークとしてまとめられています。
内科や総合診療のシニアレジデントの先生は、外来や病棟で、本書のフレームワークを症例を経験するたびに、ぜひ参照してください。
また、臨床推論のカンファレンスを行う場合は、本書のフレームワークに沿って鑑別診断を整理すると格段にやりやすくなると思われます。その意味でも、教育ツールとしてもオススメ出来ます。
内科力を向上させたい、すべての先生にお薦めです。