COVID-19による横紋筋融解症
COVID-19による横紋筋融解症と急性腎不全を経験しました。
調べてみました。
まずBMJ-case reportの報告を見つけました。
https://casereports.bmj.com/content/bmjcr/13/9/e237616.full.pdf
38歳の糖尿病があるけど元気な男性の、悪心、発熱、四肢の筋痛、酸素化低下
人工呼吸管理となりその後、CPKが(>21000µg/L)悪化し、腎機能も悪化。
CHDFと人工呼吸管理で改善したとのこと。
COVID-19でも急性腎不全の報告はあるが、特に重症例では横紋筋融解症に気をつけるほうが良さそうでです。
特に重症のCOVID-19ではCPKとミオグロビン尿(尿定性で潜血陽性、尿沈渣で赤血球陰性のギャップで検出可)は要注意ですね。
なお、ARDSのことを考えれば輸液を絞るべきですし、急性腎不全では輸液はするべきでありそのバランスは難しいとのこと。
適切な輸液と利尿剤の使用、必要におうじた透析と人工呼吸管理が重要になりそうです。
他には下記のようなCOVID19に伴う横紋筋融解症のケースシリーズもあります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7780065/pdf/10.1177_2324709620984603.pdf
上記のケースシリーズより引用
平均年齢は45歳で、5人のうち4人は糖尿病、脂質異常症を持っているとのことです。
なんとも言えませんが、糖尿病があるというのはCOVID-19に伴う横紋筋融解症のリスクになるかもしれません。経験した症例も糖尿病の既往歴がありました。
いずれの症例も比較的重症なので、横紋筋融解症は重症例との関連があるかもしれません。
やはり四肢の筋痛を訴えることが多いですが最もCPKが上昇した症例では訴えがなかったこともあり、必ずしも筋痛は全例で伴うことはないようです。
インフルエンザでも横紋筋融解症は報告されており、それとよく似た機序なのかもしれませんが、詳細は不明です
いずれにせよ、酸素化に注意しながら慎重に輸液をするしつつ、COVID-19の治療も同時に行うしかないようです。