SS-A陰性のシェーグレンと抗セントロメア抗体
抗セントロメア抗体陽性で限局型強皮症?
しかし、ドライアイ、ドライマウスがある。
韓国の355人の原発性のシェーグレンを対象とした後ろ向きコホート研究
SS-A/Ro 抗体が陰性のサブタイプの特徴を調査
抗Ro/SSA抗体陰性群では、リウマチ因子陽性が少なく(p<0.001)、白血球減少(p=0.003)、高ガンマグロブリン血症(p<0.001)、血清β2-ミクログロブリン値の低下(p=0.034)、抗セントロメア抗体陽性(p<0. 001)の割合が抗体陽性群よりも高かった。
さらに乾燥領域のスコアが高く(p=0.048)末梢神経系領域のスコアも高く、歯の喪失のスコアも高い抗体陽性群よりも(それぞれp=0.021、0.041)高い傾向を認めた。
つまり、しびれや乾燥症状が通常のシェーグレンよりも強い傾向があるようです。
ここで抗セントロメア抗体が陽性のパターンのシェーグレンについて考えてみます。
慶応大学で行った横断研究で血清学的に抗SSA抗体と抗セントロメア抗体のパターンと、症状について調査した研究です
Raynaud現象や強皮症の患者の割合は、抗セントロメア抗体単独群とダブルポジティブ群で高い傾向を認めたとのことであり、抗セントロメア抗体陽性のシェーグレンでは手指硬化症やRaynaud減少の割合が高くいことがわかります。 強皮症の合併を示唆しているかもしれません。
では抗セントロメア抗体陽性のシェーグレンは陰性のシェーグレンとどのように違うか
以下はクライテリアに合致した原発性シェーグレンにおいて抗セントロメア抗体陽性と陰性を比較した研究です 後ろ向きコホート?
結果が以下になります。合計446人のクライテリアに合致したシェーグレンのなかで抗セントロメア抗体陽性は26人のみでした(6%)
より引用
上記の図から
抗セントロメア交代陽性群では、陰性群と比べて
レイノー現象が多く
SSAは陰性でIgGはむしろ低い傾向があり
主観および客観的な乾燥症状(眼、口)はより高度な傾向を認める。
と言えそうです。
抗セントロメア抗体は限局型全身性強皮症に特徴的ですが、ときに抗SS-A抗体陰性のシェーグレンの抗体として重要で、より乾燥症状が強く、強皮症に伴う症状を合併しやすいとは言えるようです。