コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

PCR コネクト2日目

PCR Connect

本日は、PCRコネクトの2日目でした。

朝からレクチャーを盛りだくさんでしたが、とても有意義でした!

 

宮下先生のACPのレクチャーを聞きました。

市中病院で臨床をやることの難しさ
 
社会的ネットワークが大きいほうがACPを実践しているのではという研究テーマでした。

Association between social networks and discussions regarding advance care planning among Japanese older adults

上記の論文で量的にその結果を示し、さらにそこから質的にインタビューを行い深め、さらに次の量的研究につなげるという姿勢が印象的でした。

 
 
慈恵医大の藤井 智子先生のRCTのデザインについても非常に勉強になりました。
実際にJAMAでRCTをされた先生の話はとても興味深かったです。
 
VITAMINS trial
 
RCTを組むときには順番に観察研究やメタアナリシスを積み重ねるというのがとても勉強になりました。
いきなりRCTに行かずにプロジェクトとして着実に積み重ねる重要性を理解できました。
以下の順番で研究を積み重ねて最終的に大規模RCTに行き着くという過程が勉強になりました。
 
 
1 systematic review
2 データベースを利用した研究
3 古典的な観察研究
4 RCTを実現可能かを feasibility studies
5 Pilot RCT RCTが実現できるか? 生理的な根拠は観察出来るか?
6 RCT 
 
 
 
 
徳田先生の話ではメンターシップと研究の重要性について勉強できました。

Mentorship, Productivity, and Promotion Among Academic Hospitalists

上記の論文にあるようにメンターがいるアカデミックホスピタリストは、メンターがいないアカデミックホスピタリストに比べて論文を執筆する確率が高いことが判明しており、メンターをもつことの重要性が理解できました。

 
 
松島先生からは臨床医が研究をする意義についてお話をされていました。
臨床医の視点で、なんのための研究か? どこを目指すのかを考えるという話が印象的でした。
ビックデータは重要ですが、プライマリ・ケア医は日々の診療の中から小さくてもキラリと光る研究をする重要性を理解できました。
実際に家庭医が研究を始める上での課題は以下の論文にまとめられているので、お勧めとのことです。
 
 
尾藤先生のお話では、ワクワクすることの重要性を感じました。
見えそうで見えないものへの探求という言葉が印象的でした。
 
 
栗田先生のレクチャーでは以下の実際に書かれた論文をどのような理論で組み立てたかを丁寧に解説していただきました。
 
 
イントロダクションとディスカッションの書き方について丁寧に解説していただきました。
しかし、印象的だったのはPECOとFIRMNESSを徹底することの重要性でした。
 
Feasible:実行可能であるか?
Interesting/Novel:興味深い、新しいものであるか
Relevant:直面する切実な問題
Measurable:測定可能か
Ethical:倫理的であるか
Specific:明確であるか、具体的であるか
Structured:構造化されているか
 
これらを徹底的に詰めることで、自ずとIntroductionとDiscussionの内容が決まってくるということが理解できました。
 
またパラグラフ・ライティングの重要性も理解できました。
最初に結論を持ってきて、その後の論旨は最初の結論を補填するという英文の書き方に慣れることの重要性を理解できました。
以下の本でパラグラフ・ライティングが勉強出来ます。

 
 
若林先生からは査読のポイントを勉強しました。
やはり前述のPICOとFIRMNESSを徹底することが重要であり、さら以下のようなガイドラインを遵守することの重要性も理解できました。
 
 
また投稿雑誌をどうするかは、論文のSignificandeで判断することも重要であるとしれました。
研究をドロップアウトせずに続けることが重要であるという言葉が印象に残りました。
 論文を書くときは以下の本がお勧めとのことです! 
 

 

とても意義深い2日間で勉強になりました。

総合診療を発展するためにも、みんなが研究をしていくことが大切ですね!