コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

レジデントデイ 2020年 12月 市立奈良病院 総合診療科

画像に含まれている可能性があるもの:屋外、自然、水

本日のレジデントデイの感想を

 

終末期ケアについて

基本的には認知症ではADLが重要で、FAST分類によるターミナルステージかどうかの判断が重要

認知症のIllness trajectoryを意識して、今どこにいるかを意識しながら家族と現状を共有することが重要

認知症のターミナルステージでは代替栄養に関しては基本的には慎重な経口摂取の一択になることが多い。

ただ、代替栄養は本人のQOLや予後など総合して考えることが重要

高齢者の意思決定プロセスに関するガイドラインは必読

https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/pdf/jgs_ahn_gl_2012.pdf?fbclid=IwAR3tSCQMuNL1JiLAHpHUbszydG2gVBayY_7nR9ASnPdHK0xstLy-xvsF6vU

 

最後の場を過ごすということでは医療的処置が出来ないことを納得してもらえるのであれば、施設の看取りも良い選択。

特に施設に思い入れがある場合は。。

ただし、点滴が出来ないことによるリスクも説明は必要

施設職員を交えた退院前カンファレンスが重要

ケア移行も意識したケアを。

地域で紡ぐケア移行 次回の入院に向けた準備を始めよう(松村真司) | 2019年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

 

 

緩和ケアでは本人の価値観や意向を踏まえ、心理社会的側面に配慮した、ケアプランを立てることが重要

特にライフレビュー

本人の今までの職業や人生観などを聴取する

告知により前向きに残り少ない時間をどのように有効活用したいかを本人から引き出す。

そして、刻々と変わる状況において、その都度、本人・家族と話し合いを重ねる

適切な症状緩和は残された家族のケアにもつながる

 

 

理不尽な言動には毅然とした態度を

いつもの頭と切り替えることが重要

我慢ぜずに人を呼ぶ必要あり。

出来ることは出来る 出来ないことは出来ないと線引を

 

 

健康格差に配慮する

三重宣言が基本

健康格差に対する見解と行動指針|一般社団法人 プライマリ・ケア連合学会 Japan Primary Care Association

 

健康格差に対して、
日本プライマリ・ケア連合学会は次のように行動します。

  1. 01.あらゆる人びとが健やかな生活を送れるように社会的な要因への働きかけを行い、健康格差の解消に取り組みます。
  2. 02.社会的要因により健康を脅かされている個人、集団、地域を認識し、それぞれのニーズに応える活動を支援します。
  3. 03.社会的要因に配慮できるプライマリ・ケア従事者を養成し、実践を通して互いに学び合う環境を整えます。
  4. 04.健康格差を生じる要因を明らかにし効果的なアプローチを見出す研究を推進します。
  5. 05.あらゆる人びとが、それぞれに必要なケアを得られる権利を擁護するためのアドボカシー活動を進めます。
  6. 06.上記1-5を達成するために、患者・家族および関係者や関係機関(専門職、医療や福祉の専門機関、地域住民、支援ネットワーク、NPO、行政、政策立案者など) とパートナーシップを構築します。

 

まずはSocial vital signの測定を

以下、横田先生のスライドから

slide.antaa.jp

 

HEALTH+Pで問題を把握し、介入することが重要

 

と、盛りだくさんのレジデントデイでした!

市立奈良病院 総合診療科は、総合診療の専攻医の先生の教育を積極的に行っています。

是非、見学を!