コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

日本における大腿骨頸部骨折の変遷

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26733376/

 

〇はじめに

この研究の目的は1987年から2012年までの25年の間の頸部骨折の発生率の傾向、および日本の地域差を特定することである

〇方法

病院への優勝調査に基づく全国調査によりデータを収集した

股関節骨折発生率、性別および年齢別、地域別の発生率を計算した。

〇結果

2012年に新規発生した骨粗鬆症患者は合計175700人(95 % CI 170,300–
181,100),男性37,600 人(36,600–38,600) for men 、女性 138,100人(134,300–141,900)

70-79歳での発症率は男女とも1912年~2012年前までが低かった。

関西のほうが発症率は高かったが、徐々にその差は小さくなっている。

 

〇結論

新規の大腿骨頸部骨折の新規発症率は増加傾向だが、70-79歳では発症率は減少傾向。その正確な理由は不明だが、骨粗鬆症治療薬がその結果に影響を与えている可能性はある。食事の差が地域差に影響を与えている可能性はある。

 

病院のベッド数とサンプル数の関係

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発生数の計算方法

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標準化罹患比の計算方法

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調査に対する回答率の割合について クリニック(ベッド<⑲)で回答率が高かった

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大腿骨頸部骨折の総数は男女ともに増加している

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70台は唯一総数が減少傾向

これは特にビスホスホネートが使用され始めたことが影響しているのでは

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関西地方のほうが関東よりも大腿骨頸部骨折の発生率は高い

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以前よりも地域差は無くなっている。

ビタミンK、カルシウム、ビタミンD、マグネシウムの摂取率が関係している?

 

諸外国では大腿骨頸部骨折の発症率は低下傾向でビスホスホネートの使用が関係しているのでは