急性の精神症状のレクチャー
若年女性。
興奮気味。脱抑制。 性的な異常な発語あり。
高齢男性。
現役の開業医。高血圧の内服薬を飲んでいる。
興奮状態。もう駄目だと言っている。
血圧が高いと不安が強い。
しかし内科的な疾患も考える必要あり。
②記憶障害
③見当識障害
④感情障害
原因
自己免疫性:橋本 ループス、シェーグレン、vogt小柳・原田
ぼう腫瘍性:肺癌etc
●傍腫瘍性神経症候群
→NMDA VGKC
こちらも参照
jyoutoubyouinsougounaika.hatenablog.com
●上記20歳女性
→やはり奇形腫あり。 奇形腫を摘出してステロイドパルスで著名に改善。
●上記80歳男性
→縦隔腫瘍あり。ステロイドパルスで症状改善。縦隔腫瘍摘出で改善。
NMDAはコマーシャルベースで測定可能
VGKCは鹿児島大学で測定してくれるが、時間がかかる。
抗VGKC複合体抗体の測定 - 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 神経病学講座 神経内科・老年病学
VGKCは不眠や不随意運動、自律神経障害などで発症
抗VGKC抗体陽性自己免疫疾患の臨床表現型の多様性 - Neurology 興味を持った「神経内科」論文
●急性から亜急性の進行する精神神経症状、認知機能低下では辺縁系脳炎を考える。
●MRI、髄液が正常でも否定できない。
●辺縁系脳炎を考えれば、まずはヘルペス脳炎を考える。他に橋本脳症、SLEなどの自己免疫疾患、傍腫瘍性疾患も考える。
●傍腫瘍性症候群を念頭に、小細胞がん、胸腺腫瘍、精巣・卵巣腫脹、乳がんなどの検索を行う。
●臨床症状から自己免疫性あるいは傍腫瘍性辺縁系脳炎の可能性が否定できない場合は、ステロイドパするの反応を見ることもある(ヘルペス脳炎など感染症は否定すべき。)