今日は主訴の決定と解析について話しました。
〇主訴の決定
患者の言葉を医学用語に変換し、出来るだけhigh yieldの主訴を選び、主訴の定義を確認するという3つの過程が主訴の決定には必要です。
カンファレンスでは鑑別疾患が出てきても実際の現場では鑑別疾患が出てこない理由は、主訴の決定が出来ないことに起因する。
主訴は一度決めたら終了ではなく、問診をするなかでより良い主訴に変更したほうが良い場合もある。
診断学的に最も得るものが大きい主訴は必ずしも患者の主訴と一致しないから。
〇主訴の解析
〇TOSS+PQRのまとめ
・主訴の解析はTOSSで行う
Time course 主訴の時間経過
Onset 主訴の発症様式
Situation 主訴が発症した状況
Severity 主訴の重症度
Time course
症状が増悪傾向か改善傾向か,症状が間欠的か持続性かを確認する.症状は図式化したイメージが出来るように。
Onset
Sudden Onseは危険な疾患を示唆するサインである.痛みが全くない状態から数秒以内に最強になる痛みはSudden onsetであると言える。
Situation
主訴がどのような状況で起こったか、どのような状況で増悪するか、どのような状況で改善するかを確認すべきである。
Severity
『人生で最悪の痛み』は重症な疾患を示唆する。痛みが10点満点で何点かを定量的に評価することも重要である。また日常生活に支障が来たりするほどの症状は重症であると考える。
痛みの解析
・痛みの場合はTOSSに加えPQR(Position,Quality,Radiation)を聴取する必要がある.
Position:痛みの場所
Quality:痛みの性状
Radiation:放散痛・関連痛