CABGはオフポンプが良い? オンポンプが良い?
Five-Year Outcomes after Off-Pump or On-Pump Coronary-Artery Bypass Grafting.
冠動脈バイパス術(CABG)を施行した患者の死亡、脳卒中、心筋梗塞、腎不全の合併症の発生率は、オフポンプでもオンポンプでも、30日後または1年後に有意差がなかったと報告されていた。
今回新たにRCTが施行された。
P : 冠状動脈疾患を有する患者
I:オフポンプCABG
C: オンポンプCABG
O: 複合エンドポイント; 死亡、脳卒中、心筋梗塞、腎不全、または再発冠状動脈血行再建術(CABGまたは経皮的冠動脈インターベンションのいずれか)
平均追跡期間は4.8年 RCT ブランドは出来ない 多施設研究(19カ国から)
〇結果
4752人が対象
オフポンプ群とオンポンプ群との間に、複合エンドポイントの割合(それぞれ23.1%および23.6%; 95%信頼区間[CI ]、0.87〜1.10; P = 0.72)で差は認めなかった。
セカンダリーエンドポイント
(患者1人当たりの平均費用)は、オフポンプ群とオンポンプ群(それぞれ15,107ドルと14,992ドル、群間差、115ドル; 95%CI、 - 697〜927ドル)。
QOLも有意差は認められなかった。
〇結論
5年間の追跡調査における死亡、脳卒中、心筋梗塞、腎不全または再発血管再建術の複合転帰の割合は、オフポンプCABGを受けた患者とオンポンプCABGを受けた患者の間で同様であった。
Evaluation of computed tomography in patients with atypical angina or chest pain clinically referred for invasive coronary angiography: randomised controlled trial.
P: 胸痛 or 非定型の狭心痛で、CAGの適応になった340人の患者
I CAG
C coronary CT
O coronary CTやCAG関連する48時間以内に主要な処置に関連した合併症。
割り当ては盲検化出来ないが、盲検した独立した研究者が評価。
単施設のRCT
172人がCAG 168人がcoronary CTにランダム化
⇒10人がCAGを拒否 1人がcoronayr CTを拒否
⇒162人がCAG 167人がcoronaryCT
結果
coronary CTは100%⇒14%とCAGの必要性を減少させた(95%信頼区間9%〜20%、P <0.001)
coronary CTはCAGに比べ有意に高い診断率と関連していた75%(53%〜90% ) VS 15%(10%〜22%)、P <0.001。
主な合併症はまれ(0.3%)とグループ間で同様だった。
マイナーな合併症は、coronary CTよりもCAGで多かった 3.6%(1%〜8%)VS 10.5%(6%〜16%)、P = 0.014。
coronary CTは30.0時間(3.5から77.3時間、P <0.001), CAGは 52.9時間(49.5から76.4時間)とcoronacy CTは入院滞在期間の中央値を短縮しました。
放射線への暴露は、CTとCAGで同様。 5.0ミリシーベルト(4.2から8.7ミリシーベルト)VS 6.4ミリシーベルト(3.4から10.7ミリシーベルト)、P = 0.45
:3.3年間の追跡期間中央値の後、主要有害心血管イベントは、coronary CT(4.2%),CAG(3.7%) と有意差なし P = 0.86。
患者満足度はcoronary CTで高い。
ただ大学病院で行われたstudyであり、予想よりも数が少なくなったため検出力に問題は残る
〇感想
studyの限界はあるが、事前確率が微妙でCAGするほどでもないと悩ましい症例はcoronary CTは使える印象
ただ、アウトカムの設定は微妙・・
CAGは術者の技量によっては造影剤の使用量が少なくてすむかも。
coronayr CTは石灰化があると評価が出来ないという限界がある。
Effect of Cranberry Capsules on Bacteriuria Plus Pyuria Among Older Women in Nursing Homes: A Randomized Clinical Trial.
P ナーシングホームの65歳以上高齢女性
I プロアントシアニジン36mg(すなわち、合計72mg、クランベリージュース20オンスに相当)を含有する各カプセル剤2個を1日1回投与
C プラセボ
O 2ヶ月毎に評価された膿尿と細菌尿存在。
セカンダリーアウトカム
症候性尿路感染症(UTI)、全原因死亡、全入院入院、多剤耐性抗生物質、UTI疑いのために投与された抗生物質、および全抗生物質の投与であった。
21のナーシングホーム RCT double blind
〇結果
主なアウトカムと措置:結果:185人の参加者(平均年齢、86.4歳[SD、8.2]、白人90.3%、ベースラインにおける細菌尿+膿尿の31.4%)
147人が試験を完了。
全体の遵守率は80.1%
〇プライマリーアウトカム
治療群の25.5%(95%CI、18.6%-33.9%)および対照群の29.5%(95%CI、22.2%-37.9%)で細菌尿+膿尿。
欠損データで調整したところ治療群と対照群の間に細菌尿症と膿尿の存在に有意差を示さなかった(29.1%vs 29.0%; OR、1.01; 95%CI、0.61-1.66 ; P = .98)。
症候性尿路感染症(UTI)、全原因死亡、全入院入院、多剤耐性抗生物質、UTI疑いのために投与された抗生物質、および全抗生物質の投与は両群で有意差なし
〇結論
養護施設に居住する高齢女性の中で、クランベリーカプセル剤は細菌尿および膿尿の減少につながらなかった。
〇感想
ひとつのstudyだけではなんとも言い難い。
ただ今回のstudyのアウトカムの設定が細菌尿+濃尿であるのが微妙。。 本来は症候性の尿路感染をアウトカムとしたい。
以前の大規模RCTではクランベリーで尿路感染の予防が出来たと。ただ尿路感染の定義によって有意差が出たりでなかったりと言う結果。
が、サプリメントは自己負担であり、値段も考えればクランベリーはあまり勧められるものではないかもしれない。
今週はおまけで、NEJMから
症例は68歳の男性。片眼下垂症の他は特に症状はなかった。
神経学的検査では、持続的な上向き注視の後に左眼の眼瞼下垂症が明らかになった(パネルA)。
外眼筋の動きは正常であった。
重症筋無力症が疑われ、アイスパック検査が実施された(パネルB)。
2分後、眼瞼下垂はカイゼンしし(> 5mm)、検査は陽性であった(パネルC)
診断は、血清抗アセチルコリン受容体抗体の存在および電気診断検査によってさらに支持され、反復性神経刺激に対する減少応答を示した。
アイスパック試験は、重症筋無力症と眼瞼下垂の他の原因とを区別するのに有用なベッドサイド試験であり得る。
筋肉の温度が低下することでアセチルコリンエステラーゼ活性が阻害され、臨床的改善に繋がると考えられる。
患者はピリドスチグミンで対症療法で治療され、眼瞼下垂症は消失した。