慢性冠動脈疾患に対するコルヒチンは複合エンドポイントを改善する?
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2021372
P 慢性冠動脈疾患を有する患者
E コルヒチン0.05mg
C プラセボ
O
プライマリーアウトカム:心血管死,自然発症(手技に起因しない)の心筋梗塞,脳梗塞,虚血による冠動脈血行再建術の複合
主要セカンダリーアウトカム:心血管死,自然発症の心筋梗塞,脳梗塞の複合とした
Double blindのRCT
run in phaseでコルヒチンを消化器症状で脱落した郡はランダム化の前に除外
ベースラインは両郡で同等
治療内容も両郡で同等
ただ、抗血小板薬、スタチン、ACEなどで十分に治療されている患者群であることが伺える。
結果
プライマリーアウトカムはコルヒチン郡で良い傾向
NNT35
○解釈
冠動脈の再建という医師の主観が入るアウトカムが入っており、さらに複合エンドポイントであるため、有意差が出やすい設定になっている。
実際の心筋梗塞の再発率も低下している傾向はあるかもしれないが、臨床的なインパクトはNNTは83と現場で実感できるほどではない。
死亡率はむしろ悪化?? 有意差はないが。。
また消化器症状でコルヒチンを使えない患者はランダム化の前に除外されており、コルヒチンに耐えれる患者のみが対象となっている。
慢性冠動脈疾患があるという理由のみでコルヒチンを使用することはこの論文を読む限りなさそう。。
痛風発作がある慢性冠動脈疾患であれば使用してもよいかもしれないが、尿酸値をまずは低下させるだけでもよいかもしれない。