肺結核の画像について
本日、病院の勉強会で肺結核の症例の画像を振り返りました。
まずは病歴ありきということを再認識しました。
画像だけでの判断は難しい。。
長引く咳や熱、高齢者というのはリスクであることを改めて認識。
ただ、高齢者の肺炎では全例結核として対応をしないといけないのかというわけではないものの、違うとも言い切れないジレンマ。
ひとまず、特徴的な画像は押さえておきたいと思います。
https://pubs.rsna.org/doi/pdf/10.1148/rg.2017160032
Radiographics . Jan-Feb 2017;37(1):52-72. doi: 10.1148/rg.2017160032. Pulmonary Tuberculosis: Role of Radiology in Diagnosis and Management
肺結核の画像について少し復習を
既往歴、症状、検査所見、画像所見から潜在性肺結核、活動性肺結核、肺結核既往などに分類が可能です。
なお、日本人は高齢者である時点で潜在的に肺結核の暴露歴があると考えることが妥当です。
結核による中心性壊死 確かにチーズみたいです
慢性膿胸としてくることもあります。
体重減少、悪寒、倦怠感など
こういう上葉の空洞性病変を伴う浸潤影は典型的ですね
ランダムに小粒影があるのは粟粒結核を示唆
上記は典型例の胸部Xp、胸部CT、病理像の対比
確かに分かりやすい
いずれも典型例で上葉にあったり、空洞影を呈していたり
他には、Tree in bud patternも有名
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6082770/pdf/kjr-19-859.pdf
Tree in budの構造を示したCT画像
確かに分かりやすい
ただし、Tree in Budは肺結核だけに認めるわけではない
https://pubs.rsna.org/doi/pdf/10.1148/rg.253045115
Tree-in-Bud Pattern at Thin-Section CT of the Lungs: Radiologic-Pathologic Overview
肺結核の典型的なTree in bud
細菌性気管支炎 上がブドウ球菌、下がインフルエンザ桿菌
侵襲性アスペルギルス症
誤嚥の画像
sulfur dioxideの誤吸入
癌の微小転移
小葉中心性だが気管にそうというよりも末梢病変もあり動脈が病変の首座?
肺腫瘍性血栓性微小血管症
こちらも同様に経動脈性の病変 どちらかというと粟粒結核に近い?
ということで、Tree in Budも色んな原疾患で認める。
結局、高齢者、結核既往歴、結核暴露歴、長期間継続する発熱や呼吸器症状、抗菌薬の効かない肺炎など、リスクが高い症例では少しでも疑わしければ、3連痰をせざるおえないということか。。
結核は、忘れたころにやってくる。。