北先生が市立奈良病院にいらっしゃって、講演をされました。
AMRについて改めて、勉強させて頂きました。
まずAWaRe分類について。
http://apps.who.int/medicinedocs/documents/s23413en/s23413en.pdf
抗菌薬を以下に分類します
Access 使用を勧める抗菌薬
Watch 限られた状況に限り使用する抗菌薬
Reserve 最後に温存する抗菌薬
の3パターンに分類します。
Accessの使用量を増やし、Watch,Reserveを可能な限り減らすことが重要になります
詳細は以下のリンクをご覧ください。
またAMRの達成目標としても経口セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライドの適正使用も重要です。
特に第3世代セフェム系の抗菌薬は吸収率も低すぎるため、臨床的に使用する状況はほぼないと言ってよいと思われます。
キノロンも耐性菌の比率が上がっているため、使用は控えるのが無難だと思われます。
例えば、膀胱炎ならセファレキシンで良いでしょうし、外来で治療できる腎盂腎炎ならST合剤も良いと思われます。
肺炎も軽症であれば、オーグメンチン/サワシリン+サワシリン(オグサワ)が無難かと思われます。
キノロンは可能な限り避けるほうが無難です。
抗菌薬の適正使用についても厚労省から手引きが出ています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000166612.pdf
いわゆる、風邪には抗菌薬が不要と言うことがポイントです。
また副鼻腔炎や咽頭炎への抗菌薬も大概はサワシリンで対応が可能です。
抗菌薬はアナフィラキシーや薬疹のリスクもあり、感冒に対する抗菌薬処方は有害無益と言ってよいでしょう。
麻黄附子細辛湯は比較的使いやすくてお勧めです。
以下は、急性上気道感染の診療のフローチャートですが、とても分かりやすいです。
最近は抗菌薬が不足しているので、特に内服抗菌薬をうまく使用することが重要になると思われます。
特に、セファレキシン、サワシリン、オーグメンチン+サワシリン(オグサワ)、ST合剤に関しては使い方に精通するべきかと思います。
経口抗菌薬にスイッチするためにチェックする項目は以下のCOMSが挙げられますhttp://mikrobiologie.lf3.cuni.cz/nottces/Full%20Guidelines/iv%20switch%20policyupdate%20dec08_final.pdf
ただし、症例は選ぶ必要はあることに注意します。
詳細は以下の記事がまとまっているので、是非ご覧ください。
http://www.theidaten.jp/journal_cont/20190715J73-1.htm
最近は下記のような日本語のマニュアルも整備されてきているので、参考にすることも有効だと思われます。