コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

リハビリコラボ 嚥下WS @冬期セミナー

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〇総論
誤嚥性肺炎をおこす3大要因
①嚥下障害
②防除因子の低下
③細菌の増加
 
 
30度ギャッチアップが常に誤嚥しにくいわけではない
30度ギャッチアップでは覚醒が下がる
 
反応、声、喉頭挙上、呼吸状態、舌萎縮、口腔衛生を評価する
細菌を誤嚥しないためにも口腔衛生が大切
嚥下の解剖では、喉頭蓋谷、梨状窩、喉頭、披裂を押さえる
 
間接嚥下訓練:水や食事を使用しない嚥下訓練
直接嚥下訓練:水や食事を使用した嚥下訓練
 
とろみの分類
 
 
食事の分類
 
 
 
〇スクリーニング
反復唾液嚥下テスト ( RSST )
改訂水飲みテスト ( MWST )
 フードテスト ( FT )
30ml水飲みテスト (WST)
 下記のリンクで詳細が見れます
 
 
 
〇従来は嚥下4期モデルで、命令したときにおこる嚥下の仕組み
プロセスモデルが出てきている 
実際には咀嚼しながら徐々に飲み込んでいる。
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嚥下造影検査 ( VF )
• レントゲンで透視する
• 痛みはない
• 口腔から食道まで全て観察可能
• リスク
- 造影剤アレルギー
- 被曝(胸部レントゲン10-20枚程)
 
 
嚥下内視鏡検査 ( VE )
• 鼻からカメラを挿入する
• 被曝はない
• 喉や声帯,唾液を観察可能
• リスク
- 痛みや違和感
- 鼻出血
• ベッドサイドで可能
誤嚥中観察不可(ホワイトアウト
 
 
 
 
 
 
〇各論
食べ物飲み物を口に入れていいか
(水飲みテスト・直接訓練・開食)
を判断するときは
 
〇追加で誤嚥した場合のリスク 
〇追加で誤嚥しやすいか
 
で考える。
口腔衛生不良で呼吸状態不良なら、追加で誤嚥したときのリスクも高い。
まずは、口腔衛生を徹底し、食事や水を使わない間接嚥下訓練、歩行訓練、経腸栄養、急性期治療を行い、嚥下機能が改善するのを待つことが大切。
 
 
具体的に評価し、モニタリングする項目
〇ADL端座位は取れるかどうか? 歩行できるかどうか?
〇呼吸状態  呼吸数がはやいと誤嚥しやすい
〇口腔内衛生  口腔衛生が不良だと誤嚥したときのリスク高い 
〇舌運動   
〇呼吸音  頸部でゴロゴロしている場合は、咽頭から気道のどこかに液体が貯留
喉頭隆起?  1横指移動できるかどうか
〇30秒間水飲みテスト  30秒で3回飲めればOK 嚥下改善の指標に使える
〇神経学的巣症状  明らかな異常があれば画像検査も
 
 
改訂水のみテストを考えるときに評価するポイント
①形態 トロミは濃いトロミか? 薄いトロミか? 中間のトロミか?
②ギャッチアップはの角度は? 頸部は後屈しないように 最初はギャッチアップ30-45度で開始も?
③水の1口量は?? 何CCなら大丈夫か?
 
 
 
ゼリーでフードテストも行う
ポイントは水飲みテストと同じで、形態、ギャッチアップ、1口量が大切
 
ゼリーと水の違い
・ゼリーの方が1塊になってくれる力が強い
・ゼリーは咀嚼を観察できる
・ゼリーは糖分が入っている
 
 
フードテストでゼリーが問題ないならゼリーを開始。
その際は、看護師、STと情報共有を密にする(一口量、摂取スピード、食事形態、ギャッチアップ、頸部前屈)
食事形態を上げるときは、昼のみから始めて徐々に上げるのが安全。
食事形態を上げるときは、STと情報共有を密にする。
 
 
ただし、悩ましい症例、嚥下の解釈が悩ましい、特殊な症例はリハビリ医にコンサルトしてVFやVEをやってもらうことが大切。
リハビリ医は症例数が違うし、使える手札も多い。