バルサルタンの疑惑のRCT
以下、感想
日本の黒論文として有名な論文を読んでみようという趣旨。
普通に読んでみましたが、介入、アウトカム、PROBE法がネックかなと思いました
primary outcomeが複合エンドポイントですが、死亡率などのHard outcomeに差が出ておらず、狭心症による入院という医師の主観が入る項目で優位差を出しています。
PROBE法を使用していることを考えれば、信頼性に欠けると思いました。
また、例の疑惑を知らなくても、冠動脈疾患と心不全がある患者の第1選択薬はACE-Iなので、ACE-Iとの比較が知りたいところです。
いずれにせよ、このRCTだけでACE-Iではなく、バルサルタンを使おうとはならないと感じました。
ただ、普通に読むだけでは、意図的な改ざん を疑うことは不可能だと思います。
いずれにせよ、ひとつのRCTだけで臨床的な判断をすべきではないという教訓になると思います。