救急外来診療の原則
【献本御礼】
著者に頂いたので、感想を書きます。
著者とは個人的な親交があり、本を献本をしてただいたのでCOIもありありなのですが、それを差し引いていただければと思います。
管理人は、今の職場ではあまり救急外来に携わることはありませんが、後期研修医時代は内科系救急の暴露はそれなりにしていました。
今も、内科に携わることもあり、内科系救急はそれなりに経験もあります。
通常教科書を読むだけではなく、経験を積むことでしか実践知は積み上げることができません。
本書は、そのような実践知のエッセンスが凝縮されています。
たとえば、細菌性髄膜炎を疑えば全例ヘルペス脳炎の治療をすべきというのも、実践知そのもので、なるほどと感心しました。
救急外来の本と言いながら、誤嚥性肺炎や病状説明など通常の救急の本では扱わないような、しかし大切なポイントが扱われているのも、非常にユニークです。
しかし、本書の最も大きな特徴は、基本の徹底です。
常に、病歴、身体診察、バイタルサイン、基本的な検査(エコー、血液ガス、心電図)を疎かにしないという姿勢が徹頭徹尾、貫かれています。
救急外来で失敗するパターンのうち、病歴や身体診察やバイタルサインが不十分であったことは良く経験されます。
本書を読むことで、研修医は救急外来で覚えるべき基本を身につけることが出来ます。
指導医も、自分自身の診療を顧みる良い機会になるのではと考えます。