症例カンファ 腰痛
本日は症例カンファ。
以前に扱った症例でしたが、新しい先生も来たので復習を兼ねて
腰痛の症例。
体動で悪化 筋骨格系か
しかし、kye pointは安静時痛があり、夜間に痛みで目が覚める。
この病歴の地点で精査をすべきことが決定。
さらに運動で改善するという点、若年男性という点から強直性脊椎炎を考える。
その他の脊椎関節炎、化膿性脊椎炎、結核性脊椎炎、悪性腫瘍骨転移も鑑別に。
ただ随伴症状やリスクは少ない。
強直性脊椎炎を念頭に、仙腸関節の叩打痛、パトリックを取りに行くと陽性。
下痢があるのでIBD関連の脊椎関節炎は鑑別に。
MRIでは shiny cornerを認め、最終的に強直性脊椎炎と診断。
病歴から鑑別を挙げて、身体診察と検査で詰める過程を共有しました。
以下、以前のまとめ。
健診、検診のレクチャー 松本Dr
検診:特定の疾患を見つける(例 癌検診)
健診:特定の病気を見つけるわけではない。
CEAが無症状で見つかった場合は??
⇒大腸癌の可能性は4%程度??
choosing wiselyとしてはCEAは使用しない方向。
早期に消化器癌を見つけるメリットはある?
しかし96%の人が追加で精密検査を行うリスク・負担もある。。
寿命に関与することがないPSAの測定の意義は??
◯脳ドックの意義は??
無症候性脳虚血発作、無症候性内頚動脈閉塞、無症候性未破裂動脈瘤
無症候性脳梗塞に関しては抗血小板薬の投与は推奨されない(2015年から脳梗塞のガイドラインでも記載あり)
無症候性内頚動脈閉塞は治療適応乏しい?
無症候性未破裂動脈瘤は小さければ治療適応なし しかし動脈瘤に対する不安も。。
⇒癌検診とくれべて費用対効果は劣るという報告も。。ただ今後の血管内治療の報告で変わる可能性も。。
とはいえ、現地点では推奨されない。
では何をすればよいか??
us preventive task forceのアプリがお勧め!
AHRQ ePSS - Google Play の Android アプリ
日本と少し事情が違うところもあるが、年齢・性別・喫煙・sexualy activeを入力すれば推奨する検診を提示してくれる。
継続外来では特にお勧め!!!
例えば65歳男性で喫煙者、sexualy activeなし
推奨A 大腸癌、HIV(これは日本では当てはまらないか。。)、高血圧、禁煙
推奨B 転倒予防の運動、腹部大動脈瘤(エコー)、アルコール依存、血管リスクが高い場合のアスピリン使用(しかし、日本人ではこれも当てはまらないか。。)、うつ病、糖尿病、運動・減量、スタチン(LDL測定)、肥満、潜在性結核(これもルーチンでは難しいか。。)、B型肝炎・C型肝炎(これもルーチンでは難しいか。。)、肺癌のスクリーニング
⇒ということで便潜血を含めた一般的な健診の項目に加えて禁煙、うつ病、運動・食事指導・腹部エコー、必要に応じて胸部CTを行うか。。
症例カンファ 2017年10月12日
体動困難
⇒ふだんは伝い歩きだがうごけない。言葉が普段よりも出ない。
鑑別は??
体動困難よりも意識障害のほうが鑑別は絞れる。
意識障害を切り口とする。
意識障害を見た時はまずバイタルの異常をチェック。
血液ガスと血糖は有用!
血液ガスで異常がなければ全身疾患の可能性は下がる。
四肢の脱力がなくても血圧が高値(SBP>160)では頭蓋内疾患の可能性が上がる
⇒頭部CTが優先される
◯意識障害のおさらい
●Dont
●バイタル異常
血圧、体温、SpO2、呼吸数(血液ガスで乳酸値もチェック)
●L/D異常
肝臓、腎臓、電解質⇒血液ガスでスクリーニング
●神経
Stroke、てんかん、髄膜炎・脳炎⇒まず頭部CT その後必要に応じて髄液・頭部MRI・脳波を
●その他
まずは薬物・アルコールを考える!!
他内分泌疾患、精神疾患など
胸腔ドレーンの基礎
胸腔ドレーンは
①水を貯めるところ
②ウォーターシール
③陰圧をかけるところ
に分けられる
いちばん大切なのは、②のウォーターシール
エアーリークがあると②に泡が出現する