終末期の肺炎 治療 2018年11月号 特集
南山堂|月刊誌「治療」|2018年11月 Vol.100 No.11
私も執筆に携わった終末期の肺炎が書籍化されました(編者は敬愛する先輩医師なのでCOIはあります。)
非常に面白い特集で私自身がとても勉強になりました。
私はABCDEアプローチについて記載させていただきました。
- 誤嚥性肺炎で介入可能なABCDEアプローチ
A Acute problem 急性疾患の治療
B Best position/ assist/meal form 適切なポジショニング、食事介助、食事形態
C Care of oral 口腔ケア
D Drug 薬剤
D Disorder of Neuro 神経疾患
D Dementia/Derrium 認知症/せん妄
E Energy 栄養
E Exersice リハビリテーション
E Ethical 倫理的配慮(緩和ケア含む)
誌面では書ききれなかったこととしては。。
・ポジショニングでは隙間を空けないように頸部の緊張を取るようにして、足を接地させることが大切
・食事介助のスキルも重要で、頸部が後屈しないようにやや下から食事を運ぶ
・認知機能の改善の為には、刺激を入れることが大切で離床を促しつつ、食事介助も5感を使い刺激を入れ、出来るだけ自分の手で食べるようにアシストする
ということが上挙げられます。
自分以外の原稿もとても勉強になりました!
以下 印象に残ったこと
・肺炎診断は難しい。。 特に胸部X線はポータブルでは感度が不良であり、エコーが有用
・ポジショニングも奥が深い 側臥位も時に有用
・簡易な嚥下評価を身に着けることが大切
・慎重な経口投与が大切で他職種の協力が必要
・終末期の判断には摂食嚥下障害が包括的な介入を行って良くなるかどうかが大切
・胃瘻をどうするかは個別性が高く、本人の意思を推定し、本人にとってのメリットを考えて話し合うことが大切
・ACPは本人や家族の同意が原則だが、無理強いをしない
・摂食嚥下リハは全ての職種の包括的な介入であり終わりはない
・法律の役割の1つは超えてはいけない大枠を決めること
・終末期は家族ケアが大切
・呼吸困難のモルヒネは非常に有用だが必要以上に増量しても効果乏しい
・訪問診療では、患者、家族、コミュニティ中心に連携を進める
・嚥下評価にエコーも有用
・家族志向のケアでは情報収集に留まらず生活に思いをはせ、家族と話、家族ダイナミクスに介入を行うことが大切
・交渉術では問題と本人を切り離し、相互の利益に着目した原則立脚型交渉術が大切。
詳細が気になる方は是非、本誌をご覧ください。
お勧めです!