https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2719133
メトホルミンの次の第2選択薬は?
JAMA 大規模コホート研究
2型糖尿病でメトホルミンを第1選択とした場合に、第2選択薬による主要な心血管イベントの違いを測定することが目的。
P: 既にメトホルミンを導入している18歳以上の2型糖尿病
1型糖尿病、妊娠180日以内の妊婦は除外
I DPP-4阻害剤
C SU剤、basal insulin、GLP-1受容体作動薬、SGLT-2阻害剤、チアゾリジン
O 主要な心血管イベント
132737人の米国の全国的なデータベースを使用。
HRで危険因子を評価
・フォローアップ
Patientswere censored after the first cardiovascular
event (n = 3483), discontinuation of insurance coverage (n = 86 411), transition to ICD-10 (n = 7697),
or 2 years of follow-up (n = 35 116).
event (n = 3483), discontinuation of insurance coverage (n = 86 411), transition to ICD-10 (n = 7697),
or 2 years of follow-up (n = 35 116).
⇒原則、何もなければ2年間フォロー
Cox proportional hazards regressionでHRを調整
ベースラインは各郡で同等
メトホルミンを第1選択とした2型糖尿病の場合、第2選択をDPP-4阻害剤とした場合に比較して、治療開始後心血管イベントリスクは、明らかにSU剤(HR1.36)、basal insulin(2.03)でリスク増加する .
GLP-1受容体作動薬は統計学的に心血管リスクはDPPⅣ阻害薬に比べて低い傾向。 (HR, 0.78; 95%CI, 0.63-0.96)
SGLT-2 阻害薬(0.81; 95%CI, 0.57-1.53) 、チアゾリジン (HR, 0.92; 95%CI, 0.76-1.11) の心血管リスクは統計学的にはDPPⅣ阻害薬と有意差なし
保険に入っている患者で心血管既往があるなしなどで分類。
心血管既往があるとSGLT-2阻害薬で心血管イベントは低下する傾向??ただし、信頼区間は広め。
GLP-1受容体作動薬の心血管リスクを下げる効果は、解析の仕方によっては有意ではなくなる。
アドヒアランスも良く保険に入っている患者のHR
〇感想
少なくともメトホルミンの次の第2選択薬には、SU薬とインスリンは血管リスクを上げる可能性があり避けたほうが良い。
SGLT-2阻害薬は心血管リスクの予防効果は、DPPⅣ阻害薬と大差はないかもしれない??
GLP-1受容体作動薬は心血管リスクを低下させそうだが、解析の仕方にもよる。。
ひとまずメトホルミンの次は、DPPⅣ阻害薬というのは、現時点では無難な印象。
インスリンを使うかどうか迷うようなコントロールなら、GLP-1受容体作動薬を使うのはありかもしれない。
比較的若年者で血糖コントロールが不良で内服でコントロールする場合で特に心血管リスクが高いケースでは、SU薬を使うよりはSGLT-2阻害薬のほうがよいかもしれない。