コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

消化管穿孔のレクチャー

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・消化管穿孔の診断には腹部Xpより胸部Xpのほうが感度が良い。

・当然もっとも感度がいいのは腹部CT。 ウインドウを広げてairをチェック。

・若い人の消化管穿孔(上部)ではNSAIDS潰瘍が圧倒的に多い。

・NSAIDS以外にステロイド胃潰瘍のリスク。

・他に胃癌も上部消化管穿孔のリスク。

・上部消化管穿孔の初期マネージメント。PPI、抗菌薬(ABPC/SBT)、胃管、輸液

・上部は絶食+胃管+PPIで保存的に治療できることも。

 

・高齢者の下部消化管穿孔では、癌・浣腸・虚血が多い。

・高齢者の浣腸は穿孔リスクであり可能な限り避けるべき。

・癌に伴う消化管穿孔は非常に症状が分かりにくい。

・下部消化管穿孔はエンドトキシンショックを起こす。sepsisに準じた大量補液、抗菌薬±PPI。上部か下部かは分からないことが多い PPIはルーチンに行っても良い。抗菌薬は下部が疑わしい場合はMEPMやPIPC/TAZなど。

 

・free airがあっても特発性腸管壁気腫ということもある。違いは痛みがあるかどうか。

腸管壁気腫、嚢状腸管壁気腫のCT画像診断 | 画像診断まとめ