浸潤性子宮頸癌に対するHPVワクチンの効果
スウェーデン全国規模の登録で2006~17 年に経時的に登録された記録を用いたコホート研究
P 10~30 歳の女児・女性
E ワクチンを接種した郡
C 接種しなかった郡
O 浸潤性子宮頸癌
合計1,672,983 人の調査
追跡調査時の年齢,年,居住地,親の特性(学歴,世帯所得,母親の出生国,母親の病歴など)で調整した。
〇結果
ワクチン接種郡で子宮頸癌が少ない傾向 特に17歳より前にワクチンを打った郡ではオッズ比0.1と明らかに減少傾向
調整後もオッズ比は低い傾向
HP特に17歳より前にワクチンを接種した郡では明らかに子宮頸癌が発生しにくい
〇感想
ワクチンを接種している郡はそもそも、性教育への関心が高かったり、危険な性交渉を避ける傾向があるかもしれない
これらの重大な交絡因子により結果がゆがめられている可能性も。
ただそれらの要素を鑑みても、ワクチンを接種したら子宮頸がんの発生も低下する傾向は確からしいかもしれない。
前がん病変を減らすエビデンスが確立していることからも病態的にも納得のいく結果であろう。
ただ、実際に日本でこの結果をどのように適用するかは悩ましいところ。
とはいえ、今後はHPVワクチンを積極的に推奨する流れが出てきそう。
いずれにせよ、非常に重要な論文といえるだろう。