コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

症例カンファレンス 90台歳女性 後頚部痛

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90台女性の2週間の経過の後頚部痛

CRP6と高くNSAIDS効かないので紹介。

両肩に痛みがあり、バンザイも出来ない。

両大腿部に把握痛あり。

診断は?

 

PMR?

NSAIDSが全く効果ないので、CPPDや石灰沈着性頚長筋腱炎にしては合わない。

化膿性脊椎炎も鑑別に挙げるが、痛みはそれほど強くないと。

本人も、意外にけろっとしている。

筋炎としてもCPK上昇なし

やはりPMR?

ただし、インピージメントサインは乏しいよう。

さらに、MMP-3も全く上がっていない。

滑液包炎の所見が乏しい。。

 

主なPMR mimicは以下

・RA
IE
・悪性腫瘍
甲状腺異常
・ 多発筋炎
・ 血管炎
・ CPPD(頸椎偽痛風含む)
線維筋痛症

 

それらを念頭に、採血、血液培養、画像検査を行う。

 

⇒結果的に結膜点状出血や、septic emboliは乏しいものの、streptococcus sanguinisが血液概要で陽性。心エコーでもvegutationあり。

 

IEと診断。

 

〇パール

PMRを疑えば、血液培養はルーチンでIE除外を。

滑液包炎の所見乏しければ、PMR mimicを特に念頭に置く。