コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

三銃士勉強会  広島グリーンサミット Zoom

 

https://www.facebook.com/dartagnanproject

 

〇鎌田先生講義

今後、人口動態はアフリカやアジアの大都市を中心になる

人口も都市部が中心に

しかしそれでも地域に生きる人はいるため、その人たちをどのように支えるか

また大都市で起こりうるパンデミックや災害などに備えることも重要

高齢者診療や地域医療も今後は非常に重要

体温は年齢とともに減少する傾向がある

肺炎の最高体温も年齢とともに減少する

発熱は普段の平熱と比べることが重要

普段の発熱と比べることが大切

バイタルは動的に考える

血圧も経時的に変化する場合はそれに対応する

 

 

●高齢者の発熱

発熱のフレーム - コミュニティホスピタリスト@奈良

・入院患者の発熱では以下の9つで大半を説明可能である.

3つの感染症⇒肺炎(高齢者では特に誤嚥),尿路感染,肝胆道系感染症

・3つの診察(肺音聴診・CVA叩打痛±直腸診・肝叩打痛)と3つの検査(肝胆道系酵素を含めた採血・尿検査・胸部X線),3つの培養(痰培養,尿培養,血液培養)を行う.

 

6D⇒医原性の3つ(Device,Drug,Difficile),寝たきりの3つ(Decubitus,DVT,cppD)

・デバイス,薬剤,下痢(CDトキシン),褥瘡,下腿左右差,関節(特に膝)をチェックする.

Device    (血管内カテーテル尿道カテーテル,気管チューブ,経鼻胃管,シャント,ペースメーカーなどの埋め込み人工物)

Drug    (薬剤熱)

Difficile   (CD腸炎)

Decubitus  (褥瘡感染)

DVT    (深部脈血栓症)

cppD    (偽痛風)

 

●症例

高齢者の発熱 局所所見は乏しい 採血もデータが乏しい。

ただ平熱より明らかに高い

感染症は増悪するか改善するかしかない

慎重な経過観察が必要 ⇒椎間板膿瘍であった

変だと思ったら防御的に戦い、経過観察ことが重要

今後、未知の病気が流行ったらまずすべきことは?

症例定義を作ることが重要

そうしないと前提が作れない

失神や転倒歴がある高齢者には食後に血圧が低下しやすい

失神した患者の17%に外傷がある

外傷患者を診た場合はなんで外傷が生じたかを常に病歴で確認する

高齢者の失神では心エコーを行う

高血圧、糖尿病、パーキンソンは食後低血圧を起こしやすい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇児玉先生勉強会

敗血症性ショックで来院した高齢者 

DNARだがどこまですべきか??

DNARはどんな時でも蘇生をしないわけでななく、蘇生の見込みがないときにのみ適応

DNARは心肺停止時のみ有効で、それ以外の治療を行わないわけではない

終末期医療とDNARは同義ではない

DNARは何度も変更可能である

BSC/緩和は悪性腫瘍のみに当てはまるわけではない

大切なことは眼の前の患者の病態を瞬時に判断し、救命できるかどうか、可逆性について正確に予測することが重要

高齢者では若年者に比べて解剖及び生理学的変化があり、多数の併存疾患、ポリファーマシーの状態

85歳以上で呼吸不全で人工呼吸したら生存率は12%で人工呼吸離脱率は33%であるというデータは押さえておく ただし個別に判断する

 

Characteristics, management, and in-hospital mortality among patients with severe sepsis in intensive care units in Japan: the FORECAST study | SpringerLink

重症敗血症は予後不良

院内死亡率は23%で高齢になればさらに予後悪化

 

医学書院/週刊医学界新聞(第3047号 2013年10月14日)

illness trajectoryを意識する

認知症では予後は不良

ただ心血管疾患や外傷は高齢者でも治療すれば可逆性はある

 

①DNARを意識する

②疾患毎の予後を理解する

③illness trajectoryを意識する

 

 

 

 

 〇坂本先生 講義

アンガーマネージメントが重要

食後低血圧を見逃さないことが重要

高齢者、施設に入所中で、反応が乏しい

脳梗塞、糖尿病、高血圧など。。

心電図、心エコーは問題なし。。

どうする??

高齢者診療の大原則は、時間がかかる。

急がば回れで、病歴、身体診察、バイタルをきちんと

 

心血管性失神で見逃してはいけないのはHEARTS

Heart attack

Embolism

Aortic dissection,Aortic stenosis ,AAA rupture

Rhythm disturbance

Tachycardia

Subarachnoid hemorrhage

 

検査をとりあえずするでは診断エラーになる

この鑑別疾患を念頭に、病歴、身体診察を丁寧に行う

腹部大動脈瘤の切迫破裂は疑ってこないと診断出来ない

原因不明のショックや尿路結石疑い

⇒腹部エコーを速やかに行う!

 

他には出血、薬剤性の起立性低血圧を見逃さないことが重要

 

食後低血圧は食後2時間以内にSBPが20㎜Hg以上低下するか、普段から100㎜Hg以上ある血圧が90mmHg未満となる

高齢者の失神では意外に多い。

 

食後低血圧は朝に多く、食べてから2時間以内。

心拍数は上昇乏しく、四肢は比較的暖かいことが多い。

アルコールが増悪要因

時間を味方につける

採血の待ち時間に起立試験を行う

採血も解釈できないのならば提出しない。。

失神の患者は、ADLを確認して、歩行できるかを確認する

歩いても症状が再燃しないかを確認する

歩くことで労作時呼吸困難や痛みが見つかることもある。

 

Validation of the Canadian Syncope Risk Score - REBEL EM - Emergency Medicine Blog

 

失神患者ではcanadian syncope risk scoreも有用

2時間、失神患者をERで行うべき。

ERで心電図モニターをきちんと行うべき。

 

救急外来でも再発予防を意識する

①Leg-crossing

②Squatting

③Arm-tesing

など再発に向けた生活指導をする

 

 

私は下記のレクチャーを行いました。

坂本先生の病歴、身体診察、バイタルを大切にするという姿勢に改めて感銘を受けました。

明日からの臨床をしっかりしようと心を新たに出来ました。

 

 

 

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⇒結果的に脳梗塞からの誤嚥性肺炎であった

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