片頭痛関連めまい症 Vestibular migraine
先日、ERで急性発症の、めまい+頭痛の方がいて、片頭痛関連めまい症 Vestibular migraineを想起しましたので少し勉強。
国際頭痛学会の診断基準では脳底型片頭痛は前兆としての回転性めまい,耳鳴
り,難聴など脳幹,小脳に関連する症状を2つ以上伴う片頭痛と定義される。
しかし、実際は片頭痛患者が眩暈を伴うことは多いものの、脳底型片頭痛の診断基準を満たすことは少なく、片頭痛関連めまい(Vestibular migraine)と診断されることが多い。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/9/115_872/_pdf
上記の論文の片頭痛関連めまい症の診断基準は以下の通り。
なお下記の論文では診断基準は以下の通り。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4833782/
A.基準CとDを満たす少なくとも5つのエピソード
B.前兆を伴う、伴わないにかかわらず、現在もしくは過去に片頭痛の病歴がある
C. 中等度または重度の強度の前庭症状があり、 5分から72時間持続する。
D.少なくとも50%のエピソードが、 次の3つの片頭痛の特徴の少なくとも一つに合致する。
①以下の4つの特徴のうち少なくとも2つの特徴を持つ頭痛
・片側
・拍動性
・中程度~強い強度
・日常的な身体活動による悪化
②音と光の恐怖症
③視覚的前兆
E.他のICHD-3の診断や、 別の前庭機能障害をきたす疾患が否定的。
眩暈に伴う、頭痛の病歴を十分に聴取して片頭痛らしいかを突き詰めることが重要。
片頭痛の病歴を聴取しないことで、過少診断されている可能性もある。
という概念も提唱されている。