2018年 5月14日 画像カンファ 正常圧水頭症
月曜日は画像カンファを不定期でしています。
高齢男性 慢性経過の歩行障害と認知機能低下、失禁。
頭部CTで違和感が。。 側脳室が拡大している。。
正常圧水頭症疑い。
歩行障害では、まずは慢性硬膜下血腫を除外。
慢性経過ならパーキンソン病も考えるが、正常圧水頭症も除外が必要。
正常圧水頭症ではEvans indexが大切。
Evans index(両側側脳室前角間最大幅/その部位における頭蓋内腔幅)は0.3を超える
⇒つまり、水頭症を反映して側脳室が拡大している。
http://www.rosetibayan.com/writing-the-reprieve/
また側脳室の拡大だけではなく、高位円蓋部の脳溝が狭小化していることも特徴的。
下記にも画像所見が詳しくまとめられています。
正常圧水頭症とは?画像診断(NPH、DESH、Evans index)のポイントは? | 画像診断まとめ
なお正常圧水頭症では、側脳室周囲に白質病変を認めることも特徴的ですが、シャント術を行うと可逆性に白質病変も改善するようです。
正常圧水頭症の歩行は、Wide basedでかつMagnetic とされている
パーキンソン病より、幅広い歩行が特徴的
シャント術で歩行が明らかに改善する
まず行うことは、タップテスト
⇒髄液を30mlゆっくり抜いて歩行が改善するかが重要。
タップテストの前後で、Up and Goテストを行い、定量的にタップテストの効果を評価する。
治療はシャント術。
特異的な治療があって上記の動画のように改善する疾患なので、疑わしい場合は適切に脳外科紹介に繋げることが肝要。
下記のサイトも、分かりやすいです。
検査・治療について|正常圧水頭症センター(NPHセンター)|診療科・部門のご案内|洛和会音羽病院(京都市山科区)-救急指定病院