コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

COPDに対するトリプル療法の有効性

すでに、いたるところで話題になっていますが。。

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http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1713901?query=featured_home

 

P 40歳以上の症候性のCOPD(CATスコア10以上 FEV1:50%未満で最低1回以上の中等度以上のCOPD急性増悪を経験、FEV1:50-80%なら最低2回の中等度の急性増悪、最低1回の重症の急性増悪を経験)

I エリプタでフルチカゾンフランカルボン酸(ICS)100μg+ウメクリジニウム(LAMA)62.5μg+ビランテロール(LABA)25μgのトリプル吸入療法

C エリプタでフルチカゾンフランカルボン酸+ビランテロール(ICS+LABA)

  エリプタでウメクリジニウム+ビランテロール(LAMA+LABA)

O primary outcome 中等度以上の急性増悪が年間に起こる割合

 

大規模の多施設、Double-blindeのRCT →内的妥当性あり

90%の検出力で計算し各々4000人必要⇒数は足りている。

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⇒ベースラインは3郡同等

吸入に関しては、ランダム化される前に元々自分が使っていた吸入のみを継続し、その後割り付けられている

⇒治療も3郡で同等か

 

〇結果

・中等症以上のCOPD急性増悪

トリプル吸入療法群で0.91/年

ICS+LABA群1.07/年と比べ(RR0.85 95%信頼区間0.80-0.90、p<0.001)

LAMA+LABA郡1.21/年と比べ(RR0.75 95%信頼区間0.70-0.81、P<0.001)。

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副作用

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肺炎はICS使用郡で多かった。

LAMA+LABAと比べ、トリプル療法は肺炎が多い(ハザード比1.53;、95%CI:1.22-1.92、 P<0.001)。)

 

〇感想

エリプタのトリプル療法がついに登場。。

肺炎リスクは案の定ICS使用で増加する。

とはいえ、やはり挿管する程の重症の急性増悪をきたしてしまった症例や急性増悪を繰り返している症例ではトリプル療法を使わざるおえないが、その根拠となりそうなRCT

エリプタでまとめて吸入できるなら、コンプライアンスも良さそう。。