コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

重症喘息への対応

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https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMra1608969

 

Difficult-to-treat asthma は高用量の吸入ステロイドや他のコントローラーを使用しても、コントロールが難しい喘息のこと。

重度の喘息は、Difficult-to-treat asthma のひとつ
高用量のICS+LABAに加えて、ロイコトリエン or テオフィリンを使用しても、コントロールが難しいか、全身性グルココルチコイドによる治療が必要な喘息

 

 喘息診療の流れ

まずはしっかりとLABA+ICSの吸入を行う。きちんと吸入手技を行うことが大切

 

・合併症の評価

副鼻腔炎があれば副鼻腔炎の治療を

タバコを吸っている場合はCOPDとの合併を疑う。

鬱や不安障害も合併しうる

 

生物学的製剤を使用する前にLAMAやテオフィリンなど安価な方法を考慮

 

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●炎症の機序

左がType2 inflammation

Th2細胞を介してIL4,IL5が活性化 

IL5は好酸球を活性化 ⇒(メポリズマブ(ヌーカラ)、ベンラリズマブ(ファセンラ)の経路)

IL4はB細胞、IgEを介してマスト細胞を活性化⇒オマリズマブ(ゾレア)の経路

 

右がnon type2 -inflammation

おもにヘルパーT細胞を介して、好中球が活性化する

アレルギー素因が少なく成人発症すし、air flow limitationが強く過敏性が強い喘息がある理由

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炎症の種類が好酸球優位 or 好中球優位で分類する

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●治療戦略

type2 inflammationかどうかで戦略を分類

type2 inflammationで吸入ステロイドをしっかり使用しても急性増悪を繰り返すなら、分子生物学的製剤を考慮

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●抗IgE

オマリズマブ(ゾレア)

アレルギー素因のある喘息。IgEが30IU per milliliter以上で、スキンテスト陽性 or 特定のアレルゲンのIgEが陽性

 

●抗IL-5

メポリズマブ(ヌーカラ)、ベンラリズマブ(ファセンラ)

血中の好酸球が300以上の症例でかつ急性増悪を繰り返す患者に適応

 

 

●新規喘息治療薬一覧

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