コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

アンドロゲン受容体拮抗阻害薬アパルタミドの前立腺癌への効果

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1715546

 2018 Apr 12;378(15):1408-1418. doi: 10.1056/NEJMoa1715546. Epub 2018 Feb 8.

 

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P 18歳以上の転移のない去勢抵抗性前立腺癌で,アンドロゲン除去療法施行下でもPSAの倍加時間が 10 ヵ月以下の患者で転移のリスクが高い患者

I  アンドロゲン除去療法+アパルタミド

C  アンドロゲン除去療法+プラセボ

O  primary outcome: 無転移生存期間(画像上で遠隔転移を最初に認めるまで or 死亡するまでの期間)

 

double blindの多施設RCT

プラセボとアパルタミドは1:2で割付

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両郡のバランスは保たれている。

 

1200人必要で、primary outcomeが372の計算で検出力90%⇒数は足りている

 

 

●結果

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primary outcome

アパルタミド群で 40.5 ヵ月

プラセボ群で 16.2 ヵ月

⇒ハザード比 0.28,95%信頼区間 [CI] 0.23~0.35,P<0.001).

 

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症状を伴う進行までの期間もアパルタミド群のほうがプラセボ群よりも有意に長い

(ハザード比 0.45,95% CI 0.32~0.63,P<0.001)

 

 

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●試験の中止にいたった有害事象の発現率

アパルタミド群 10.6%,プラセボ群 7.0%

 

皮疹(23.8% 対 5.5%),甲状腺機能低下(8.1% 対 2.0%),骨折(11.7% 対 6.5%)もアパルタミドで多い

 

●結論

去勢抵抗性前立腺癌に対するアパルタミドとアンドロゲン除去療法の併用は、無転移生存期間をプラセボに比べて有意に延長するが、有害事象も増加させる。

 

●感想

 確かに、Hard outcomeを明らかに改善させている。有害事象は増えそうで、特に骨折は問題になるがそれを差し引いても画期的な治療になりそうな印象。