非心臓手術であってもPCI既往があればアスピリンは継続すべき
非心臓手術におけるアスピリン - コミュニティホスピタリスト@東京城東
⇒POISE-2 trial
POISE-2 trialのサブグループ解析でPCI既往歴がある患者のみを対象とした試験
P 非心臓手術を予定している45歳以上の患者で以下のうちの最低1つを満たす
◎Inclusion
1.冠動脈疾患の病歴
2.末梢動脈疾患の病歴
3。 脳卒中の既往
4.主要な血管手術を受けている
5.以下の9つのリスクのうち3つ以上
A.年齢≧70歳;
B.腹腔内、胸腔内、後腹膜、または主要な整形外科手術として定義される大手術を受ける
C.うっ血性心不全の病歴
D.一過性虚血性発作の病歴;
E.糖尿病であり、現在経口血糖降下剤またはインスリンを服用している;
F高血圧の病歴;
G.術前血清クレアチニン>175μモル/ L(> 2.0mg / dl)
H.手術後2年以内の喫煙;
I 緊急手術を受けている
◎Exclusion
1アスピリンまたはクロニジンに対する過敏症または既知のアレルギー
2。
手術前72時間以内のアスピリンの使用
3.収縮期血圧<105mmHg。
4.心拍数が、心拍数が1分当たり55回未満、または第2度または第3度心臓ブロック
5活動性消化性潰瘍疾患または手術前6週間以内の消化管出血;
6.手術前6ヶ月の頭蓋内出血
7.くも膜下出血または硬膜外血腫
8.手術前1年未満の薬剤溶出型冠状動脈ステント
9.ベアメタルステントを手術の6週間前に留置
そのほか術前の抗血小板薬の内服
I:術前4時間以内に開始され、周術期を通じて継続されたアスピリン療法(全体n = 4998;サブグループn = 234)
C:プラセボ(全体、n = 5012;サブグループn = 236)
O:
primary outcome:ランダム化30日後の死亡と非致死的心筋梗塞の複合エンドポイント
ベースラインはほぼ同等
◎結果
アスピリンはprimary outcomeのリスクを低下させた(絶対リスク低下、5.5%[95%CI、0.4%〜10.5%]、HR[HR]、0.50 [CI、0.26-0.95]。
心筋梗塞(絶対リスク低下、5.9%[CI、1.0%〜10.8%]; HR、0.44 [CI、0.22~0.87
PCの患者における重大かつ生命にかかわる出血の影響は不明(絶対リスク増加、1.3%[CI、-2.6%〜5.2%])
◎感想
あくまでサブグループ解析であり限界があるが。。
この解析では分からないが、元の論文の結果からもアスピリン内服でおそらく出血は増えると思われる。
しかし、サブグループ解析とはいえアスピリンのほうが心血管イベントの発生率が低い傾向はありそう。
大規模のRCTの結果が待たれるが、PCI既往がある場合はアスピリンは非心臓手術であっても継続したほうが無難と思われる。
Up to Dateにも以下の記載があり、やはりそういう解釈でよさそう。
While we are cautious about interpreting the findings in this post-hoc analysis of a small subgroup, we believe the results are plausible.