コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

本橋Dr 腹部CT レクチャー

 

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CT値

HU -1000(空気) 〜 0(水) 〜 +1000(金属)

各組織(血液、脂肪、骨、各種実質臓器)がだいたいどのぐらいの値か、一度はチェックしておく。

 

腹部CTは臓器の数が多いので、見落としがないようにするには自分の「ルーチン」を決めて、順番に各臓器を見ていく。

以下は順番の一例。「この順番で見る」と決めていれば、見落としは少なくなる。異常をきちんと認識できるかどうかはまた別問題。

 

 

肝に明らかなSOLなし

肝内胆管の拡張なし

胆嚢の腫大なし 壁肥厚なし 胆石なし

総胆管の拡張なし

脾臓の腫大なし 明らかなSOLなし 副脾あり

膵に明らかなSOLなし 主膵管の拡張なし

両副腎に明らかな異常所見なし

両腎に明らかな異常所見なし

腎盂〜尿管に明らかな異常所見なし

膀胱は尿貯留が少なく評価困難だが、明らかな異常所見なし

子宮両側付属器の大きさは正常

下部食道〜胃〜十二指腸、小腸、結腸および肛門周囲に明らかな異常所見なし

回盲部に正常虫垂を認める

(腹部CTを読影するときは、主訴にかかわらず必ず虫垂をチェックする癖をつける。正常を数多く見ていないと、異常を見逃す。)

骨盤内に生理的範囲内の腹水を認める

傍大動脈リンパ節の腫大なし

腸間膜リンパ節の腫大なし

骨・筋肉・皮下組織に明らかな異常所見を認めない

撮像範囲内の肺野に明らかな異常所見なし

(骨や肺野を見るときはWLとWWを適切な値に変えることを忘れずに)

 

 

結論

撮像範囲内に明らかな異常所見を認めません