CT値
HU -1000(空気) 〜 0(水) 〜 +1000(金属)
各組織(血液、脂肪、骨、各種実質臓器)がだいたいどのぐらいの値か、一度はチェックしておく。
腹部CTは臓器の数が多いので、見落としがないようにするには自分の「ルーチン」を決めて、順番に各臓器を見ていく。
以下は順番の一例。「この順番で見る」と決めていれば、見落としは少なくなる。異常をきちんと認識できるかどうかはまた別問題。
肝に明らかなSOLなし
肝内胆管の拡張なし
胆嚢の腫大なし 壁肥厚なし 胆石なし
総胆管の拡張なし
脾臓の腫大なし 明らかなSOLなし 副脾あり
膵に明らかなSOLなし 主膵管の拡張なし
両副腎に明らかな異常所見なし
両腎に明らかな異常所見なし
腎盂〜尿管に明らかな異常所見なし
膀胱は尿貯留が少なく評価困難だが、明らかな異常所見なし
子宮両側付属器の大きさは正常
下部食道〜胃〜十二指腸、小腸、結腸および肛門周囲に明らかな異常所見なし
回盲部に正常虫垂を認める
(腹部CTを読影するときは、主訴にかかわらず必ず虫垂をチェックする癖をつける。正常を数多く見ていないと、異常を見逃す。)
骨盤内に生理的範囲内の腹水を認める
傍大動脈リンパ節の腫大なし
腸間膜リンパ節の腫大なし
骨・筋肉・皮下組織に明らかな異常所見を認めない
撮像範囲内の肺野に明らかな異常所見なし
(骨や肺野を見るときはWLとWWを適切な値に変えることを忘れずに)
結論
撮像範囲内に明らかな異常所見を認めません