2018年4月21日は記念すべき、日本プライマリ・ケア連合学会病院総合医委員会主催の第1回若手病院総合医カンファレンスでした。
病院総合医委員会から、佐藤先生と上田先生を、専門医部会若手医師部門病院総合医チームから大浦先生を講師としてお招きしました。
管理人は司会および会のプロデューサー的な立場で参加しました。
実は、今回のメインテーマは誤嚥性肺炎を通じで病院総合医の高みと広がりを知るということだったのですが、前半に臨床推論のWSを予定していたこともあり、誤嚥性肺炎がテーマであることは、秘密にしていました。
参加者は不明熱の臨床推論をしていたら実は診断が誤嚥性肺炎でまずひとつ驚きを感じていただけたかもしれません。
普通の臨床推論の会では、マニアックな病気が重宝されるので。
でも、実は誤嚥性肺炎になった原因はとある神経変性疾患でした。なぜ誤嚥するかを考えることが、やはり重要ですね。
しかし、誤嚥性肺炎を診断する難しさを圧倒的なエビデンスを散りばめた上田先生のレクチャーを通して感じて頂けれたと思います。
さらに誤嚥性肺炎と診断がついた同じ患者さんも、絶食・抗菌薬で治療は終了ではなく、佐藤先生がスペシャルインタレストとしてリハ栄養を多職種を巻き込み徹底的に行うことで患者さんのQOLや予後を圧倒的に改善できるということを示してくれました。
たとえ、神経変性疾患であってもそこで諦めるべきではなく、やれることはあるということです。
STさんは大切だけど、しかしSTさんに嚥下を丸投げすべきではないというメッセージは非常に示唆的でした。
そして、最後に同じ患者さんが神経変性疾患の予後としてやはり、今後嚥下が悪化することが見込まれるので、アドバンスケアプランニングとして胃瘻を作るべきかという倫理的なテーマになりました。
ここも各参加者には時間をとって、悩んで議論していただきました。
その後、大浦先生が実際にこの患者さんをどのようにケアしたのかを、家庭医療と臨床倫理が高い次元で融合した高みを見せていただきました。
家庭医療専門医でかつ臨床倫理認定士を持っている大浦先生ならではのプレゼンでした。
倫理原則、家族志向のケア、レバレッジポイント。
大浦先生のプレゼンに、参加者も病院総合医の深さを感じていただければと思います。
ひとつの誤嚥性肺炎というありふれた症例から、診断、リハ栄養、家庭医療、臨床倫理と深めようと思えばいくらでも深めることが出来るという、病院総合医の高みと広がりを感じて頂けたと思います。
事後アンケートやFace bookの反応からも、参加者の満足度は高かったと思われます。
上田先生、佐藤先生、大浦先生、病院総合医委員会の先生方、ファシリテーターの若手スタッフ、学会事務局の皆様、本当にありがとうございました!!
理事長も自ら冒頭で、総合診療医の大切さについても語ってくださいました。
皆様の協力がなければ、決してこの会は成立しませんでした。
病院総合医を目指す先生は、日本プライマリ・ケア連合学会の病院総合医委員会や、専門医部会若手医師部門病院総合医チームに足を運んでいただければ幸いです。
〇病院総合医委員会ホームページ
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