コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

心血管リスクがある患者へのACE-Iの効果

EFFECTS OF AN ANGIOTENSIN-CONVERTING–ENZYME INHIBITOR, RAMIPRIL,

ON CARDIOVASCULAR EVENTS IN HIGH-RISK PATIENTS

 

チェックシート

http://caspjp.umin.ac.jp/caspjpe/page55/files/RCT21j.pdf

 

 

A この試験の結果は信頼できるか

①その試験は焦点が明確な課題設定がされているか⇒はい

患者:

心血管リスクのある55歳以上の患者

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介入:

I:ACE-I

C:プラセボ 

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転帰

 AMI、脳梗塞、心血管死亡の複合エンドポイント

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A②その試験は設定された課題に答えるための研究方法がとられているか?

 

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妥当性あり

 

 

A③ 患者はそれぞれの治療群にどのように割り付けられたか?

 

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両群で大きな違いない

 

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⇒ビタミンEとの2×2表で層別化されてる

 

 

 

A④研究対象者、現場担当者、研究解析者は目隠しされている?

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A⑤研究にエントリーした研究者が適切に評価されたか?

 

 

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適切に評価されている

 

 

 

A⑥研究対象となった介入以外は両方のグループで同じような治療がされていたか?

 

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特に差はない

 

 

A⑦その研究のための対象患者数は偶然の影響を小さくとどめるのに十分な数か?

 

 

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数は足りている

B結果は何か?

B⑧a 結果はどのように示されたか? 

 

primary outdomeはラミプリル群で有意に発生率が低い。NNTは26

 

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心不全もラミプリル群で少ない

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副作用

 

咳はラミプリルで確かに多い、

 

 

 

 

Cその結果はあなたの現場で役に立つか?

ACEが心血管リスクのある患者の予後を改善することはほぼ確からしい。

ただ少量ACEで副作用がある患者は除外されている。

実際に少量ではじめてみて、問題なければ始めるのでこちらは問題なし。

咳嗽に関しても可逆性なので問題にはならないだろう・・