化膿性関節炎マニュアルカンファ
- 検査・診断
・CRPが陰性でも化膿性関節炎は否定できないが,血沈は可能性を下げる根拠になりえる.
CRP LR+1.6 LR-0.44
血沈 LR+1.3 LR-0.17
JAMA. 2007;297(13):1478-1488
・関節液の白血球数と好中球分画は非常に有用であり,関節穿刺は必ず行うべきである.
WBC25000以上 LR+2.9 LR- 0.32
WBC50000以上 LR+7.7 LR- 0.42
WBC100000以上 LR+28 LR-0.71
多核WBC% 90%以上 LR+ 3.4 LR-0.34
JAMA. 2007;297(13):1478-1488
・関節液中の糖の低下とLDH上昇も化膿性関節炎を示唆する所見であり参考になり得る.
糖<27mg/dl or 血中の0.5-0.75 LR3,4 LR- 0.58
LDH>250 U/L LR+1.9 LR-0.10
JAMA. 2007;297(13):1478-1488
・関節液培養は化膿性関節炎の診断のゴールドスタンダードである.
・関節液のグラム染色は非常に有用で,菌体を認めれば化膿性関節炎と診断できるが,陰性であっても疑わしければ否定は出来ない.
・半数近くで血液培養が陽性となるとされているので,必ず採取すべきである.
グラム染色 LR+65 LR-0.35
血液培養 LR+10 LR-0.53
JAMA. 2007;297(13):1478-1488
・データはないが関節液の牽糸性低下も化膿性関節炎を示唆すると言われている.
・化膿性関節炎の診断はリスク,全身状態,関節所見(WBC,糖,グラム染色,牽糸性低下)を総合的に考えて判断すべきであり,疑わしければ関節培養の結果が出るまで抗生剤を使用する.