コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

Evernoteを中心とした情報管理について @名張市立病院レクチャー!

名張市立病院でレクチャーしました‼️
教育熱心で職員の皆様も熱心な素晴らしい病院でした。
レクチャー資料アップしました。

ちなみに、以下の写真は駅前にある江戸川乱歩の像。

名張江戸川乱歩の出生地だったようです。

 

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HINTSなどのまとめ。

HINTSはBPPVには使わないというイメージがありましたが、実際にどうなのか?

HINTSの有名な論文を改めて見てみました。

 

 

 Acute vestibular syndrome  N Engl J Med. 1998 Sep 3;339(10):680-5.

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9725927

なお、古典的なAcute vestibular syndrome(AVS)のレビューでは、AVSの鑑別にBPPVを挙げている。

そもそもAVSの定義は以下の通り。

重度のめまい、吐き気、嘔吐、自然に発生する眼振、姿勢の不安定性を伴う症候群

 

中枢性の眼振と末梢性の眼振を見分ける方法も記載されており、末梢性眼振ではどの方向に向いても一定方向に眼振を認めるが、中枢では注視方向が変わることで眼振の方向も変わるとされていた。

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そして、実際の身体所見で末梢性か中枢性かを見分けることが出来るかを検証したのが以下の論文で、HINTSという身体所見の感度・特異度を記載したランドマークスタディとして知られた論文。

https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/STROKEAHA.109.551234

 

HINTSは以下の3つの所見を組み合わせた手技である。

①Head-Impulse

②Nystagmus

③Test of Skewの3つの合わせ技。

 

 Head-Impulse testについては下記動画を参考に 

https://www.youtube.com/watch?v=JD75Ulas9Y8

末梢性パターンであれば、瞳孔が流れて戻るが、中枢性パターンや正常の場合は眼球が流れないという結果になりる。

Head impulse testで末梢性パターン、方向交代性眼振なし、斜偏倚なし⇒中枢性は否定的と判断。

*方向交代性=右を向いたら右向き、左を向いたら左向きの眼振がでる

*斜偏倚⇒いわゆる斜視になる状態 ここで注意点。

 

 

同論文でAVSの定義は以下の通りで、眼振は数日から数週間継続すると。

Acute vestibular syndrome (AVS) is characterized by the
rapid onset (over seconds to hours) of vertigo, nausea/
vomiting, and gait unsteadiness in association with headmotion
intolerance and nystagmus lasting days to weeks.

 

 

本研究のinclusion criteriaは AVSであり、以下のようにっている。

rapid onset of vertigo, nausea, vomiting, and unsteady gait with or without nystagmus

つまり、眼振の有無にかかわらず急性発症のvertigoがあり、嘔吐を認め、歩くのが不安定な患者と言うこと。

 

exclusionは以下の通りです

Excluded were subjects with a history of
recurrent vertigo with or without auditory symptoms

よって、vertigoを繰り返している患者は除外されている。。

 

ということはBPPVもAVSに含まれる可能性はありそうだが、BPPVの持続時間は数日も続かないので、BPPVはHINTSの研究の対象にはなりにくい??

実際に末梢性めまいだった場合、どんな疾患が多かったかの記載は見つけられませんでした。

 

なお、本論文でのHINTSの診断特性は以下の通りで頭部MRIよりも診断特性がよいとされている。

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なお、各所見のまとめは以下の通り。

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 ⇒HINTSの他にも眼球運動や瞳孔を含めた神経学的異常や、座位保持すら難しいつまり明らかな体幹失調は当然、中枢性を示唆。

 

 

ちなみに、HITは前下小脳動脈領域の内耳の虚血では、末梢神経障害パターンになることが知られていますが、その場合は原則として蝸牛症状を認める(逆に、言えば急性発症の蝸牛症状を伴うAVSは脳梗塞が否定できないということ。)

実際に末梢性めまいで最も頻度が高い前庭神経炎とBPPVでは蝸牛症状は認めない。

HINTSが末梢神経パターンに加えて、蝸牛症状がなければ末梢パターンであると戦略がHINTS-plusで下記の論文で診断特性が示されており、HINTSよりもより診断特性が優れる傾向。

https://n.neurology.org/content/83/2/169.long

 

 

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別のレビューからHINTS plusの診断特性は良好(右端のHINTS+Batteryのこと)

https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/STROKEAHA.117.016979

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でも、実際のところどうなのか?

AFPのレビューでは、めまいのアプローチは以下の通り。

https://www.aafp.org/afp/2017/0201/p154.html

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これを見ると、持続性か発作性かで分かれていて、HINTSは持続性の場合でのみ使用するというアプローチになっている。

 

 

またより最新の別のレビューを見ると以下の通り。

https://www.ahajournals.org/doi/pdf/10.1161/STROKEAHA.117.016979

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やはりHINTSは持続性の場合でのみ使用すると。

発作性で誘因がある場合は、BPPVと起立性低血圧を念頭に、Dix hallpike(おそらく、Spine rollも行うべき)と、起立性低血圧をチェックすべきと。

Dix hallpikeで非典型的な眼振を認めれば頭部MRIでの精査を考慮すべき

持続性の眩暈で、外傷や中毒によらない場合は、HINTS plusでマネージメントを決定すべきとのこと。

 

triggered episodic vestibular syndrome (t-EVS), spontaneoustriggered episodic vestibular syndrome (t-EVS), spontaneousEVS (s-EVS), traumatic/toxic acute vestibular syndrome(t-AVS), and spontaneous AVS (s-AVS).2 Most TIAs presentwith s-EVS and most strokes or hemorrhages present withs-AVS but there are exceptions (Table 1).

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実際に本文に下記の記載あり。

Of note,HINTS only applies to patients with s-AVS (or s-EVS while
the patient remains acutely symptomatic41), including spontaneous
or gaze-evoked nystagmus; HINTS should not be relied
on in patients who have other syndromes, particularly t-EVS,
where normal head impulse test results would erroneously
imply stroke in the majority with BPPV. Pitfalls and pearls
in the diagnosis of stroke in acute dizziness and vertigo are
described in Table 3

 HINTSは明らかな誘因がある発作性の眩暈には、使わないと。

BPPVではHINTSは脳梗塞疑いという判断になってしまうと。

これは実際の臨床感覚にも合うし、BPPVで全く眼振が無くて症状がないときにHITを行っても正常だろうなという感じ。

 

 

めまい診療のピットフォールは以下の通り

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回転性めまいだから末梢性としない

頭を動かしたらめまいが増悪するから末梢性としない

蝸牛症状があるから末梢性としない

頭痛と眩暈が一緒になるから、めまいを伴う片頭痛と即断しない。

眩暈しかないからTIAではないと言わない。

脳梗塞に伴う眩暈は、四肢失調や神経学的症状を認めるはずだと言わない。

若年者だから脳梗塞じゃなくて、片頭痛だと安易に言わない

CTは眩暈診療において脳出血を除外するために絶対に必要と言わない(脳出血で眩暈を伴うのは少数)

後方循環系の脳梗塞を除外するためにCTが有用だと言わない

(特に発症24時間以内は)MRIが陰性だから、後方循環系の脳梗塞を除外したと言わない。

 

とのこと。

やはり、神経学的診察とリスクの評価、Dix-hallpike(Spine roll)とHINTS plusが重要か。

ただし、HINTS plusが末梢性パターンでも小脳脳梗塞だったという報告もあり。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnecc/29/2/29_25/_pdf/-char/ja

 

やはり総合的な判断が必要と言うことか。

ちなみに、個人的には

「歩けない眩暈は帰すな。」

「今まで経験がない、眩暈+難聴は、頭部MRIと耳鼻科コンサルトが必須」

というパールがあると考えております。

 

めまいは以下の特集がお勧め。

ANCA関連血管炎の治療(特にMPA,GPA)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24729399

AAVは生命を脅かす、または臓器を脅かす可能性のある重篤な疾患である。

治療は導入期、維持期に分けられる

再発した場合は、導入療法をさらに追加する必要があるかもしれない。

 

治療の原則

(i)迅速な診断

(ii)迅速な治療の開始

(iii)臓器予防のための早期寛解導入

(iv)最終的な寛解を目標とした薬物の維持と離脱

(v)薬物毒性の予防

 

新たに診断されたANCA関連血管炎は

グルココルチコイド(GC)+i.vシクロホスファミド(CYC)

     or

グルココルチコイド(GC)+リツキシマブ(RTX)

のどちらかを選択する

 

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〇シクロホスファミド

CYCは静脈投与する。最初にパルスを行う。

標準用量は15 mg / kgだが年齢および腎機能で調整をする。

IVのほうが毒性は低め。

シクロホスファミドの毒性は累積投与量で決定される。

白血球減少症がある場合は用量を減らすことも考慮。

シクロホスファミドに不耐性の患者は リツキサンで治療する。

 

〇リツキサン RTX

RTXは寛解導入に対してCYCと同程度に有効である

若い患者、妊娠を考えている、感染リスクが高い場合などで考慮される。

 

〇MTX/MMF(ミコフェノール酸モフェチル)

臓器障害がない場合はPSL+MTX or PSL+MMFも考慮されると。

Up to Dateでは基本的にはPSL+MTXを推奨。MTXが使えなければRTX

 

 

Up to Dateのプロトコール

Image

 

血漿交換

重篤な腎障害や肺胞出血などの、生命にかかわる徴候を認める場合は、血漿交換を追加する必要あり。

 

〇グルココルチコイド

AAVに対する導入療法にはグルココルチコイドの高用量治療が含まれる

グルココルチコイドは、CYCやRTXと組み合わせる。

グルココルチコイドは、1 mg / kg程度で開始し、投与量は12週の地点で15mgにまで減量を目指す。

グルココルチコイドの投与が長くなると、 感染症などの副作用が増える。

重篤な場合はパルスを行う。

 

維持療法

寛解が出来たらCYCは、アザチオプリンかMTXに変更する。

・MMFなども代替薬だが効果に乏しい。

・最低1年は維持療法を行うが、GPAやPR3ーANCA陽性が残存するケースでは5年ほどの維持療法を考慮

・RTXは維持療法としても使用可能。

プレドニンを離脱した6か月後を目安に免疫抑制薬の離脱を考慮。

 

なおUp to Dateにも同様の記載あり。

CYCを使用した後の維持療法としてはアザチオプリンが使いやすい。

RTXを導入に使用したらそのまま維持療法をRTXにするという流れ

In patients who achieve remission after a new diagnosis of GPA or MPA and are PR3-ANCA positive, we recommend azathioprinerituximab, or methotrexate as maintenance therapy, rather than other drugs such as cyclophosphamidetrimethoprim/sulfamethoxazole, or glucocorticoid monotherapy (Grade 1B); the authors and editors of this topic tend to use azathioprine in patients who had cyclophosphamide induction and rituximab for maintenance in patients who had rituximab induction.

 

ちなみにアザチオプリンやMTXによる維持療法中に再発した場合は、RTXが推奨

 

〇再発など

再発した場合免疫抑制を強化する必要がある。

軽度の再発は、 プレドニゾロン投与量の増加と 免疫抑制薬の調整を行う。

重度の再発では プレドニゾロンの増加に加えて、RTX or CYCを使用し、場合によっては血漿交換やパルスも考慮

再発した場合は感染症や、悪性腫瘍、薬の変更などを念頭に置く

制御が難しいケースでRTXを使用したことがないならRTXが第1選択

 

〇予防とモニタリング

(i)定期的な血液検査モニタリング(CBC,腎機能、肝機能、炎症反応など)

(ii)定期的な尿検査およびCYCによる尿路上皮毒性予防目的のメスナ

(iii)免疫抑制薬投与前に血清免疫グロブリンを測定 

(iv)カリニ予防薬としてのST合剤

(v)抗真菌薬の予防投与

(vi)黄色ブドウ球菌に対する鼻腔ムピロシンによる除菌

(vii)子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)のスクリーニング (女性患者)

(viii)CYCに伴う不妊の危険性の考慮

(ix)骨粗鬆症の予防

(x)結核のスクリーニング(B型肝炎C型肝炎、βDグルカンも)

(xi)肺炎球菌感染症、インフルエンザに対する予防接種  (B型肝炎も?)

(xii)心血管および血栓塞栓症のリスク評価

あとは、サイトメガロのモニタリングも必要でしょうか。

 

 

なお、EGPAも基本的にはステロイドとUp to Dateに記載あり

EGPAおよび全身性血管炎の証拠を有するすべての患者に対して、全身性グルココルチコイド療法を推奨。

1日当たり0.5から1mg / kgのプレドニゾン用量は、典型的には6から12週間の間、または疾患の寛解が達成されるまで、徐々に漸減する。

⇒EGPAはステロイド単独でも改善しやすい傾向。

EGPAでも重症例ではステロイド+シクロホスファミドを使用し、寛解したらアザチオプリンによる維持療法に切り替える。

 

 膠原病診療は以下の本がやはり有名ですね。。

特に併存症のない高血圧の第1選択薬は??

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/196576

古典的なメタアナリシスを改めて読んでみました。

 

◎目的

第一選択薬として用いられ、主要な心血管疾患の評価項目および全死因死亡率に関して評価された様々な降圧療法の安全性と有効性に関する利用可能な臨床試験の証拠を要約

 

◎データソースと研究の選択

主要な心血管疾患のエンドポイントを評価する長期ランダム化比較試験をメタアナリシス。

プラセボ治療または未治療対照群と治療郡を比較した研究を解析。

データ抽出ネットワークメタアナリシスを用いて、試験間の直接の比較と他の試験からの間接的な比較をした。

データはプラセボを含む7つの主要な治療戦略に無作為に割り付けられた192 478人の患者を含む42の臨床試験からまとめられた。

 

◎結果

 

すべての結果において、低用量利尿薬はプラセボより優れていた

冠動脈疾患(RR、0.79; 95%信頼区間[CI]、0.69-0.92)。

鬱血性心不全( RR、0.51; 95%CI、0.42〜0.62)

脳卒中(RR、0.71; 0.63〜0.81)

心血管疾患イベント(RR、0.76、95%CI、0.69-0.83)

心血管疾患死亡率(RR、0.81、95%CI、0.73-0.92)

総死亡率(RR、0.90; 95%CI、0.84-0.96)

 

β遮断薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、α遮断薬、およびアンジオテンシン受容体遮断薬という第一選択の治療戦略は、いずれの結果においても低用量利尿薬よりも有意に優れていなかった。

 

CCBと比較して、低用量利尿薬は心血管疾患イベント(RR、0.94、95%CI、0.89-1.00)およびCHF(RR、0.74、95%CI、0.67-0.81)のリスクの低下と関連していた。

ACE阻害薬と比較して、低用量利尿薬はCHF(RR、0.88、95%CI、0.80-0.96)、心血管疾患イベント(RR、0.94、95%CI、0.89-1.00)、および脳卒中のリスク減少と関連していた(RR)。 RR、0.86; 0.77〜0.97)。

β遮断薬と比較して、低用量利尿薬は心血管疾患イベントのリスクの低下と関連していた(RR、0.89; 95%CI、0.80-0.98)。

α遮断薬と比較して、低用量利尿薬はCHF(RR、0.51; 95%CI、0.43-0.60)および心血管疾患イベント(RR、0.84; 95%CI、0.75-0.93)のリスクの低下と関連していた。

血圧変化は同様だった。

 

◎結論

低用量利尿薬は、心血管疾患の罹患率と死亡率の発生を予防するための最も効果的な第一選択薬である。

臨床診療および治療ガイドラインはこの証拠を反映するべきであり、そして将来の試験は臨床的に有用な比較のための標準薬として低用量利尿薬を使用するべきである。

 

◎降圧薬は全体的に心血管アウトカムを改善する。

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◎低用量利尿薬はCCB,ACE-Iに比べてアウトカムが良い傾向

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冠動脈疾患、鬱血性心不全脳卒中、心血管疾患イベント、心血管疾患死亡率、総死亡率の各項目において低用量利尿薬はプラセボのみならず、他の種類の利尿薬に比べてもアウトカムを改善させる。

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他の降圧薬と低用量利尿薬の降圧作用はほぼ同じ

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◎感想

低用量利尿薬は特に合併症がない高血圧患者では、確かに第1選択薬かもしれない。

実際に他の降圧薬と比べても優れた傾向。

ちなみに、日本で使うならナトリックスとかが使いやすいです。

http://www.okusuri110.jp/cgi-bin/dwm_yaka_list_sen.cgi?2149012&%83C%83%93%83_%83p%83%7E%83h

薬価も1錠10円と極めて安く、とても良いです。

 

ややエビデンスは乏しいかもですが、もっと安いのはフルイトランで、6円程度で最も安いです。

http://www.okusuri110.jp/cgi-bin/yaka_search_p2.cgi?2132003

 

ただ、最近はARBも後発品出ているので安くなっていますが、それでも値段は40㎎で16円程度と、やや高めな印象です。

http://www.okusuri110.jp/cgi-bin/dwm_yaka_list_sen.cgi?2149041&%83o%83%8B%83T%83%8B%83%5E%83%93

 

私も合併症がない高血圧患者ではナトリックを第1選択にしていましたが、改めてその戦略で良いと感じました。

成人T細胞 リンパ腫  Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma

日本の疫学は以下から

成人T細胞白血病/リンパ腫 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]


 
世界の中でも日本の西南部(九州・沖縄地方)に多く、1977年に日本ではじめて提唱された疾患。日本でのHTLV-1感染者(キャリア)は、西南日本沿岸部を中心に110万人ほど存在し、感染者の発症率は年間1,000人に0.6~0.7人。
日本以外では、中央アフリカ中南米に比較的多く発症し、HTLV-1感染者が多い地域と一致している。感染から発症までの潜伏期間が長いためHTLV-1感染者が生涯に発症する確率は約5%程度。20歳代までの発症は極めてまれで、年齢とともに増加し60歳ごろを発症のピークとして以降徐々に減少している。
 
 
フラワーセルを血中に認める。 HTL-V1が診断に有用。

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症状
この疾患は典型的には4つの臨床症状に分類
・くすぶり型(一般に無痛性)
・慢性型(変動性)
・リンパ腫
・および急性型
ATLの急性型は症例の60%を占め、リンパ節症 and or内臓疾患を伴う白血病症状を特徴とする。
急性型のATLは、急性型は症例の60%を占め悪性リンパ腫のような症状をきたす。
他に、肝脾腫(50%の症例) 、リンパ節腫脹(ほとんどすべての症例)、LDH上昇、高カルシウム血症(症例の50%)、および内臓および皮膚病変。
骨髄浸潤は約35%の症例で認める。
他の部位には、肺、肝臓、皮膚、消化管、および中枢神経が含まれる。
 
くすぶり型のATLは典型的には、内臓または骨髄の浸潤を認めず、皮膚または肺の病変を認め、末梢血異常は乏しい(リンパ球の5%未満)。
慢性型は、白血球増加症、リンパ節腫脹、LDH上昇、臓器腫大を認める。
急性型の予後は不良で急性型は生存期間は平均1年未満
くすぶり型および慢性のATLは最初は無症候性だが、徐々に悪化し予後は不良であり、5年生存率はそれぞれ40%および50%であり、これらの患者の約半数が急性ATLへの進行する。
日和見感染症は、ATL患者によく見ららる。
ニューモシスティスカリニ感染症、糞線虫症およびクリプトコックス髄膜炎などが認められる。

 

なお高Ca血症はATLでは頻度が高い。

http://www.bloodjournal.org/content/99/2/634?sso-checked=true

RANK遺伝子の受容体活性化因子の過剰発現が高カルシウム血症と相関する

 

 

◎治療法

CHOP、VCAP-AMP-VECPなどが選択肢になりうると。

anti-CCR4 antibodyであるmogamulizimabも最近は使う。

以下Up to Dateの記載  VCAP-AMP-VECP+mogamulizimabが推奨される

We suggest the use of VCAP-AMP-VECP rather than other regimens of combination chemotherapy (Grade 2B). When available, we also suggest the addition of the defucosylated humanized anti-CCR4 antibody mogamulizumab to VCAP-AMP-VECP rather than the administration of VCAP-AMP-VECP alone (Grade 2B).

 

 

血液内科のお勧め本

末期心不全のディシジョンメイキング

日本プライマリ・ケア連合学会の若手病院総合医勉強会に参加してきました。

そこで、話題になった心不全のアドバンスケアプランニングを考えるうえで重要な論文を紹介。 

 

 

〇末期心不全のディシジョンメイキングについてのレビュー

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/cir.0b013e31824f2173

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1.共有意思決定とは、臨床医と患者が互いに情報を共有し、患者の価値観、目標、好みに合った医学的に合理的な選択肢から選択される治療に関する決定に向けて取り組むプロセスである。

2.末期心不全患者にとって、病気の期間と治療法の選択肢が増えるにつれて、意思決定の共有化はより困難になり、より重要になる。

3. 現在じっくりと議論することで、将来困難な決定をシンプルに行うことが出来るようになる。

4.理想的には、共有意思決定は、患者の病気や生活の質が変化するにつれて時間とともに進化する反復的なプロセスである。

5.臨床的なillness trajectoryへの配慮、病状の予測およびタイムリーな決定を導くために必要とされるが、予後は不確実性であり、患者および家族・介護者との議論に含まれるべきである。

6.患者との毎年の心不全に関するマネージメント方針の決定には、予想されるイベントと予期されないイベントの両方に対する現在および将来の治療法についての議論を含めるべき。

7.ディスカッションには、重大な有害事象、症状の重荷、機能的制限、自立の喪失、生活の質、介護者に対する義務など、生存を超えた結果を含めるべき。

8.終末期が予想される場合、臨床医は、患者の価値観、好み、および目標と一致する終末期ケアのための包括的な計画の策定を開始する責任を負うべきである。

9.患者と家族の感情的な心構えを評価して統合することは、効果的なコミュニケーションに不可欠。

10.質の高い意思決定と患者中心の医療の提供を促進するためには、組織構造と診療報酬構造の変更が不可欠。

 

 

 

やはり、患者中心の医療の方法が心不全の意思決定支援に重要と言うことですね。

病院家庭医療的な要素が役に立ちそうです。

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http://www.cardio.med.tohoku.ac.jp/class/achievements/pdf/j_all_2012_001.pdf から引用しています。

参考資料 下図がillness trajectory

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末期心不全の基準

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1.中等度から重度の呼吸困難 および/または 安静時または最少の労作での疲労の症状(NYHA機能クラスIIIまたはIV)

2.体液貯留および/または心拍出量の低下のエピソード

3.少なくとも重度の心機能障害の客観的証拠がある。

4. 6分間歩行距離テスト、酸素飽和度の低下のどちかによって証明される機能的能力の重度の障害

5.過去6カ月のうちに少なくとも1回の入院歴

 

 

〇末期心不全の経過

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〇黒い線

患者は、病気が進行するにつれて、進行性にQOLが低下する

この経過は、不整脈によって引き起こされる突然の心臓死によって中断される可能性があったり、または進行性のポンプ機能不全によって引き起こされるより緩やかな死で終わる可能性がある。

〇灰色の線

発病時に、心機能障害および/または併存疾患の治療のために複数の経口療法が処方されてる。疾患の重症度が増すにつれて、利尿薬の強化、植え込み型除細動器/心臓再同期療法の追加、外来および入院の頻度が増加し、それにつれて治療の強度が高まり、内服での治療が失敗し始める(末期心不全への移行)。

〇点線

症状のマネージメント、生活の質の向上、およびコミュニケーションの強化を目的とした緩和療法は、進行中の疾患だけでなく心不全の経過を通して重要。緩和療法は、生存期間を延ばすように意図された心不全の標準治療と連携して機能する。末期心不全で、患者および家族の観点からのケアの目標つまり、緩和療法がメインの治療目標にシフトする。臨床医は末期心不全への移行を認識しなければならず、それにより治療選択肢がタイムリーに検討され、患者は医学的決定を臨床的な現実と主体的に積極的に一致させることができる。

 

 

 

 

 

心不全の予後予測モデル

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〇予後予測について

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純粋な生存期間だけでなくQOLや費用なども念頭に置くべき。

 

 

 

 

〇アドバンスケアプランニングを考えるタイミング

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定期的な通院におけるチェックだけでなく、何か心不全に関連したイベント(ADL低下、利尿薬増加、心不全で入院)などがあるたびに話し合う必要あり。

 

 

 

心不全でチェックすべき項目の一覧

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◎臨床的な状態の確認⇒機能的能力、症状の重さ、精神状態、生活の質、illness trajectory、介護者の価値観

◎患者の価値観、目標、一般的なケアの好みなどを確認

◎予後を予測

◎治療法の検討

心不全治療法(BB、ACEI / ARB、抗アルドステロン、CRT、ICD)

◎併存疾患の治療(AF、HTN、DM、CKDなど)

◎症候性心不全との関連で適切な予防ケア

◎アドバンスケアプランニング

◎DNARかどうか、高度な治療法を行うか、手術、ホスピスは?

◎医療記録における年次レビューの標準化

 

 

 

 

 

患者とその臨床医が直面する進行性心不全における主な医学的決定のフレームワーク 

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インターベンションはどうするか?(CABG,CRT、PCR,弁置換、手術など)

突然死のリスクを下げる処置(ICD)

潜在的な慢性依存を伴う急性代償不全の間に開始される補助療法(IABP,ECMOなど)

臓器移植や、機械的補助などについてどうするか

心臓ではない手術をどうするか(ヘルニア、人工関節、腹部大動脈瘤など)

 

 

 

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◎末期心不全における臨床医と患者とのコミュニケーションを改善する方法

・話し合いに心臓血管外科医などの重要な臨床医も同席させる。

・患者さんや家族が知っていることを話してもらう

・患者さんや家族が知りたいことを確認する

・誤解を訂正し未回答の質問に答えつつ、患者/家族に同情的かつ慎重な方法で情報を伝えます。

・臨床医が伝えたことをどれくらい理解しているかもう一度家族に話してもらう。

・患者の目標と嗜好、および価値観を理解するために自由回答式の質問を使用して、彼らにとって最も重要なものを判断する。

・話し合いで確立された目標に基づいて特定の治療法の恩恵/負担を説明する。

・患者の目標に基づいて適切な推奨案を提供する

心不全の経過における不確実性を認め説明する。

 

 

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・患者の感情を呼称する

・患者の感情を理解する

・患者の感情を尊敬する

・患者をサポートする

・患者の感情を詳しく探索する

 

 

シェアードディシジョンメイキングについては以下のサイトで

http://tyabu7973.hatenablog.com/entry/2018/02/02/000000

 

 

またこちらも非常にまとまっています。

http://minds4.jcqhc.or.jp/forum/170128/pdf/05.pdf

 

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医師が一方的に方針を決めるのでもなく、患者さんが全ての決定を行うのでもなく、共同して意思決定することがシェアードディシジョンメイキングになります。

 

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多分、我々総合診療医や総合内科医は、このような意思決定やアドバンスケアプランニングなどに関して長けているべきだと感じます。

そこが、専門医の先生に貢献できるポイントの1つかもしれません。 

 

 心不全の勉強は以下の本でがお勧め!

食物依存性運動誘発アナフィラキシー

食物依存性運動誘発アナフィラキシーらしい方がいたのでお勉強。

 

日本小児科学会のガイドラインがまずはまとまっているのでよさそうです。

http://www.jspaci.jp/allergy_2016/chap11_1.html

 

  1. 1食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIA)は特定の
      食物摂取後の運動負荷によってアナフィラキシーが誘発される疾患である。ただし、原因食物の即時型アレルギーの既往を有する場合や経口免疫療法後などはこれに含めない。
  2. 2発症機序はIgE依存性で、原因食物は小麦と甲殻類が多い。食後2時間以内の運動による発症が大部分であるが、
      誘発のしやすさにはいくつかの要因が関与する。
  3. 3発症頻度は中学生約6,000人に1人で、初回発症年齢のピークは10~20歳代である。
  4. 4診断は問診とアレルギー検査から原因食物を絞り込み、誘発試験を実施する。しかし、誘発試験の再現性は
      必ずしも高くない。
  5. 5再発症の防止には原因食物の確定ならびに患者と保護者への教育・指導が重要である。
      その際に、不適切な食事・運動制限で患児のQOLを損なわないよう注意する。

 

 

●原因食物と発症時の運動
原因食物は、小麦と甲殻類が多いが、果物や野菜の報告例が増加している。発症時の運動種目は、球技やランニングなど運動負荷の大きい種目が多い。その一方で、散歩や入浴中の発症例もある。

 

 

●指導

運動2時間前の原因食物の摂取禁止を指導する。原因食物の完全除去や過剰な運動制限など不適切な指導により、患児のQOLを損なわないよう、注意する。頻回発症例や重症例には、アドレナリン自己注射薬を携帯させることが望ましい。

 

 

運動+食事のコンビネーションが悪化要因になるということですね。。

 

 

以下診療看護師さんのジャーナルに載ってるレビューから

https://www.npjournal.org/article/S1555-4155(17)30025-9/fulltext

●運動誘発性アナフィラキシーのサブタイプとしてしられている。

 

●誘因となる食事

運動前に特定の食物アレルゲンを摂取するとアナフィラキシーが誘発されるタイプと、食物に関わらず運動前の食事でアナフィラキシーが誘発されるタイプに分かれる。

最も一般的に報告されていない誘因となる食事は、タンパク質、肉、野菜、果物、種、およびシリアルがあります。

特に小麦の成分であるオメガ5グリアジンは、 FDEIA患者の主なアレルゲンである。

 

食物摂取と運動の間の時間は30〜120分程度とされていて、そして症状は運動が終わってから少なくとも10〜50分たった後に生じる。

 

アナフィラキシーの症状の図

アナフィラキシーでは

①気道

②消化器

③循環/血圧

④皮膚

の4つが特徴であり、皮疹がないアナフィラキシーがあることもチェック。

頭痛や昏迷などの中枢神経症状が出現することも

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●鑑別疾患

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鑑別疾患としては、通常の運動誘発性アナフィラキシー、食物過敏症、肥満細胞腫、遺伝性血管浮腫、コリン性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、運動誘発性喘息など

 

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●行うべき質問

症状は何ですか?

運動または運動が今回のすべてのエピソードで起こったことを確認する。

症状の各エピソードの前に特定の食品が摂取されていますか?

患者は食べ物を食べなくても症状を訴えたことがありますか?

ほとんどの反応は食事の2時間以内に起こるので、患者は食物に関連するアナフィラキシーのタイミングについて確認する。

アナフィラキシーに罹患したのは今回が初めての場合、日記が役立つ。

エピソードの前に患者はどんな食べ物/飲み物/サプリメントを服用したか?

食物が症状を引き起こしたかもしれないと感じるか?

どのような薬を服用していますか?

エピソードの前に他の薬を飲みましたか?

症状は時期によって変わりますか?

 特定の食事に対するアレルギーを有しているか?

患者は、じんましん、アレルギー性鼻炎、または喘息などの他のアレルギー性疾患があるか?

アルコールやNSAIDSの服用があるか?

 

 

診断クライテリア

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アナフィラキシーが証明されている 

②特定の食事と運動の組み合わせで誘発される。(特定の食事を食べない状況での運動は安全)

 

 

アレルギーテストの一覧

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●マネージメント

予防として運動の4時間前および運動後1時間は特定の食事を食べないことがとても重要である。

アナフィラキシーが起こったら、すぐにアドレナリンを使用する。エピペン自己注射が重要!

特定の食事の後に運動をしないように出来るのであれば、運動制限や食事の制限は必ずしも必要ではないことにも注意。

 

下記の本にも載っているようなので勉強してみたいです。