コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

症例カンファ 2017年10月12日

 

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体動困難

⇒ふだんは伝い歩きだがうごけない。言葉が普段よりも出ない。

鑑別は??

 

体動困難よりも意識障害のほうが鑑別は絞れる。

意識障害を切り口とする。

意識障害を見た時はまずバイタルの異常をチェック。

血液ガスと血糖は有用!

血液ガスで異常がなければ全身疾患の可能性は下がる。

四肢の脱力がなくても血圧が高値(SBP>160)では頭蓋内疾患の可能性が上がる

⇒頭部CTが優先される

 

意識障害のおさらい

●Dont 

血糖、酸素・二酸化炭素一酸化炭素ビタミンB1

●バイタル異常 

血圧、体温、SpO2、呼吸数(血液ガスで乳酸値もチェック)

●L/D異常 

肝臓、腎臓、電解質⇒血液ガスでスクリーニング

●神経

Stroke、てんかん髄膜炎脳炎⇒まず頭部CT その後必要に応じて髄液・頭部MRI・脳波を

●その他

まずは薬物・アルコールを考える!! 

他内分泌疾患、精神疾患など

 

 

陶山先生 カンファ 2017年10月

OODA loopが大切。
Observe
Orient
Decide
Act
この順番で回していく。
アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐によって提唱された意思決定理論。
医師にもそれが応用できる。
医師は情報を集めながら意思決定をする。
 
 
◯血管炎
足の関節炎、紫斑、強膜炎⇒血管炎を疑う。
胸部CT取りに行くと、すりガラス影。
⇒喀血。。
血管炎を正しく疑う。
ライム病も紫斑、腎機能障害でやってくる⇒感染症も血管炎と鑑別必要
 
 
◯強膜炎
 
 
◯空洞病変
GPAで大きな空洞病変もきたす。
結核、Septic emboli⇒IE も空洞病変をきたす。
 
 
◯鞍鼻鑑別
再発性多発軟骨炎、ウェゲナーなど。。 しかしアメリカではコカインも。
 
 
◯ループスの鼻病変
ループスでも鼻に穴が開く。
 
 
経験し、さらに論文・教科書で勉強することが大切。
積み重ねがアートになる。

血液ガス 基本

 
・血液ガスを診る時
バイタルが崩れた時
呼吸状態が悪くなった時
急変した時
 
・血液ガスで診る項目
pO2、PCO2,pH,HCO3- ,AG
 
 
 
pH=6.1+log [HCO3/(0.03×PCO2)]
ヘンダーソン・ハッセンバルヒの意味を考える
 
呼吸性アシドーシス CO2増加 ⇒換気量低下  
・中枢性呼吸抑制
・呼吸筋筋力低下
・物理的狭窄・閉塞
 
呼吸性アルカローシス CO2飛んでいる ⇒過換気などで換気量増加
 
代謝性アシドーシス HCO3-減少⇒酸を中和するために使われる 腎臓から過剰に排泄される
 
代謝性アルカローシス HCO3-増加⇒腎臓から過剰に再吸収される
 
 
Step2: primaryはどっち??
・CO2とHCO3-は同じ方向に動く
・どちらか増加あるいは減少すると、もう一方もそれに伴い変化(pHを一定に保つため)
⇒二次性変化で代償しようとする
⇒どっちも値は動いてしまうので、どちらがprimaryかを考えるのが大切
 
例 代謝性アシドーシスでHCO3-がヘウrと、呼吸回数を増やしてCO2を飛ばす
 
 
 
 
 
Anion gap
・体内の陽イオンと陰イオンの電荷は等しい
陽イオンのメインはNa+
・陰イオンのメインはCl-、HCO3-
 
測定出来る陽イオン-測定出来ない陰イオン=AG
AG≒測定出来ない変な陰イオン
 
 
AG 正常のアシドーシス⇒重炭酸イオンの消失、尿細管性アシドーシス
AG 増加のアシドーシス⇒内因性(ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、尿毒症)、外因性(サリチル酸など)
 
 
変な酸の蓄積がなければHCO3-はこの量だったはず=補正HCO3-
 
補正HCO3-=(測定したAG-12)+実測HCO3-
 
補正HCO3-が24を超えていれば代謝性アルカローシスを合併
 
 
 
 

胸部CTの基礎

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胸部CTの基礎についてのレクチャー

気管・動脈・リンパ管は並走し、気管と動脈は小葉の中心へ。

リンパ管は小葉間隔壁へ。

小葉間隔壁は、リンパ管・静脈・間質が存在

 

小葉中心性⇒気管 or 動脈の問題。

偏りがある分布で気管の支配と一致⇒気管(肺結核、誤嚥性気管支炎、マイコプラズマ

ランダムな分布で動脈の支配と一致⇒動脈(粟粒結核、septic emboli)

 

気管支血管束の肥厚と小葉間隔壁の肥厚⇒リンパ管の問題(癌性リンパ管症、サルコイドーシス)

肺うっ血でも、小葉間隔壁の肥厚を認める為、鑑別必要

癌性リンパ管症では、肺うっ血に比べて不均一な分布である傾向あり

 

【総合診療 超集中講義~極める~】

【総合診療 超集中講義のご案内】
京城東病院総合内科の森川と申します。
京城東病院は来年度より開始予定の総合診療プログラムの基幹病院として申請をしています。
その名も「コミュニティホスピタリスト育成プログラム」
特徴は以下のとおりです。

1. 総合内科的な能力と家庭医療的な能力を併せ持ったコミュニティホスピタリストを育成する!
2. オンオフをはっきりさせ、QOLと教育の両立を目指す!
3. 救急、小児科だけではなく、緩和ケアと集中治療など選択研修も充実!

京城東病院の総合診療プログラム説明会を行うと同時に、【総合診療超集中講義】を行うこととしました!

あの徳田安春先生の診断エラー学のレクチャーを聞ける、またとない機会になります。
さらに、東京城東病院総合内科の指導医によるレクチャー3本立ても同時に行います。

明日からの診療に役立つエッセンスが詰まった勉強会になります。

参加費は無料です。
皆様と会えるのを楽しみにしています!

 

参加希望の方は以下よりお申し込みください!
http://toukon1022.peatix.com/

 

城東病院総合診療プログラムの詳細は以下
http://jyoutoubyouinsougounaika.hatenablog.com/…/…/25/203850

 

【対象】
初期研修医優先だが、それ以外も可 

【日時・場所】
日程:2017年10月22日
場所:東京城東病院 3階 第1会議室

【プログラム】
12:30-13:00 開場・受付
13:00-13:50 東京城東病院 総合診療専門研修プログラム説明会
14:00-15:00 極・診断エラー学 徳田安春(群星沖縄プロジェクト)
15:05-15:45 極・糖尿病外来 松本真一(東京城東病院総合内科指導医/家庭医療指導医)
15:50-16:30 極・低ナトリウム 本橋伊織(東京城東病院総合内科指導医/元洛和会音羽病院)
16:35-17:15 極・めまいのFramework 森川 暢(東京城東病院総合内科チーフ/元洛和会丸太町病院/関東若手医師フェデレーション創設者)
17:15-17:30 Round-up

※18:00ごろより懇親会有り(別途 1,000円前後)

【問合せ先】
jotosec@gmail.com京城東病院総合内科秘書 小山

*コミュニティホスピタルは頴田病院の本田院長が提唱された言葉です。頴田病院のプログラムは以下の通りです。
https://aih-net.com/resident/senior/rotate/family.html