知略を養う 戦争と外交の世界史 と世界史の勉強
日本史の次は、世界史を個人的に勉強しています。
実は、世界史は全く勉強してこなかったのですが、改めて復習をしました。
流れをつかむには良かったです。
あと、この本も読みましたが砂糖を通じて英国を中心とした世界の歴史を勉強できました。
高校生とかが読む本ですが非常に興味深かったです。
砂糖が世界商品となった背景に、黒人奴隷のカリブ海入職とプランテーションがあった。
さらに、同様に世界商品となった紅茶。
イギリスを中心に西の砂糖、東の紅茶がイギリスで出会い。
砂糖入りの紅茶が発展した。
紅茶を通じた市民階級の発展。
また砂糖入り紅茶が産業革命時代のイギリスの労働者を支えたことも印象的でした。
昔の大英帝国の発展とその裏にいた奴隷の歴史などがよくわかりました。
こちらは税理士の筆者が書いた世界史
こちらも非常に興味深かったです。
一貫して国が税金の徴収に失敗して荒廃していく様が描かれています。
非常に栄えた古代エジプトも役人が税を取り立て私服を肥やして国力が衰退。他国に進行されて滅亡。
古代ローマも税金の請負人が同様に私服を肥やして腐敗が進行し、民衆が疲弊。
日本の荘園のように地方貴族が栄えて東西ローマに分裂
モンゴル帝国は通貨経済で経済を回し、税制も優遇して栄えた。
流通も栄えて反映したが、国が分裂して滅びた
オスマン帝国は税制面で非常に優れており長期において反映。
豊かな国力で職業軍人を教育して栄えた
フランス革命の遠因は王家が経済的に負担が増えたことに起因する。
さらに、やはり徴税人が私腹を肥やし、市民の負担が爆発した。
なお日本も明治維新で急激な近代化をなしとげたことで、イギリスに並ぶ紡績工業が発展し、輸出をしたことが日本の経済の活性化につながった。
さらに鉄道によるインフラ整備も国力を高めた。
太平洋戦争後の急激な輸出大国になった背景はそもそも、明治維新のころからその徴候がみられていた。
やはり、国の栄枯には経済が密接に関与していることが分かりました。
そして、最後にこちらの本
世界史は本当に戦争の歴史であることがよくわかりました。
正直、背景知識がないと難しかったのですが、Youtube大学で流れをつかんで、その都度Wikipediaで調べてなんとかなりました。
非常にこの本は、おすすめです。
特に、現代のロシアとウクライナの問題に関する理解も深まります。
第一章 平和条約の貴重な先例
古代でもっとも成功した平和条約が澶淵の盟であり、今も見習うところが多い。
同盟により100年も戦争が回避され、さらに宋から絹などが流入することで経済的にむしろ発展することで両者にとってwin winの結果になった。
第二章 三〇年戦争とヴェストファーレン条約
ドイツにおけるプロテスタントとキリスト教の宗教戦争から、ハプスブルグ家の台頭を防ぐために30年も続いた30年戦争。
当初は、王立国家だったが、ヴェストファーレン条約が締結
国家における領土権、領土内の法的主権、主権国家による相互内政不可侵の原理が確立され、近代外交および現代国際法の根本原則が確立された。
なお、ハプスブルグ家が同時のヨーロッパでいかに強大であり、それを封じるためにカトリックのフランスがプロテスタントを支持するというのが興味深い。
スペイン国王を兼ねた、神聖ローマ皇帝のカール5世がキーパーソン
第三章 あり得ないような同盟の話
宗教が全く違っていても、文化が違っていても、利害関係が一致していれば同盟が成り立つという話。
特に、国と国とで敵国をサンドイッチにするようにすることは有用
第四章 The Civil War アメリカの将来を決めるために避けられなかった戦争
独立戦争。工業化を目指した北部と、プランテーションを志向した南部の国の趨勢を決めるための戦争。
多くの人命が失われた。
南部のプランテーションで豪奢な生活をしていた文化が、まさに風とともに去った戦争。
北部の工業地帯にとっては、奴隷は不都合だった。
第五章 中国が初めて外国と結んだ条約、ネルチンスク条約
清とロシアのはじめての条約
清の康熙帝は名君であり、西洋の文化を取り入れ、家庭教師もヨーロッパの宣教師であり、条約の基礎を学んだ。
ロシアとの条約締結もラテン語で行った。
ただしロシアは不凍港が獲得できず不利な条約。その後、アイグン条約で破棄
第六章 ピョートル一世の強運がロシアを北の大国に押し上げたニスタット条約
不遇のスウェーデンの戦争の天才カール15世と、それに抵抗し運良く生き残り、ロシアを大帝国にしたピョートル一世の大北方戦争
若くして颯爽と登場しナポレオンのような戦争の天才だったカール15世
ヨーロッパの先進的文化をいち早く取り入れ、船大工に偽装して、ヨーロッパの文化を吸収したピョートル1世
カール15世は戦死し、ニスタット条約でスウェーデンは北の覇者から没落
バルト海を手に入れたロシアは一大帝国に。
なお、ロシアは当時から不凍港であるバルト海やクリミア半島を欲していた。
第七章 世界史を変える分水嶺となった二つの戦争と条約
自由貿易を求めたイギリスと拒んだ清
さらに紅茶を中国から大量に買い求めたいイギリス。しかし、輸入はしようとしない清の関係でイギリスは貿易赤字に。
よってアヘンを中国に持ち込むことで、大量の利益を挙げたイギリス。
ときの清の官僚、林則徐は西洋の文化とアヘンの資料を徹底的に収集し、勉強し厳密にアヘンを取り締まった
結果、アヘン戦争となり、清は不平等条約である南京条約を結ばされた。
なお林則徐は西洋を取り入れ開国を目指したが左遷。
西洋の国力や文化をまとめた、海国図志を後に友人に託した。
海国図志は幕末の日本に輸入され、明治維新につながった
そして、アメリカ独立戦争へ
イギリスの植民地だったアメリカだが、当初はイギリス流の文化に憧れていた。
紅茶や、砂糖など。
しかし、イギリスが紅茶を独占して植民地であるアメリカから利益を得ようとして猛反発。なおこの頃からアメリカは、コーヒーやコカ・コーラなど、イギリス紳士とは別の道を歩み始める。
そして、ボストン茶会事件に発展。
独立戦争へ。
独立戦争には自由の発想があり、フランスの影響が大きかった。
フランスもアメリカの独立を支援。
ただ、この戦争でフランスの国力は低下。
フランス革命とつながる。
フランス革命後にナポレオンが颯爽と登場。ナポレオンがヨーロッパを席巻。
しかし、フランスがロシアの冬将軍に負けてナポレオンも失墜
第八章 第一次世界大戦のヴェルサイユ条約と第二次世界大戦の大西憲章
プロイセンはロシアとも同盟を組んでフランスを牽制していた。
しかし、ビスマルク失脚後はフランスとロシアが同盟を組み、プロイセンは挟まれる形になった。
ロシアが部分的に介入をせずに全面的に介入することで、プロイセンも宣戦布告
つられてイギリス、フランスも介入し第一次世界大戦へ そしてプロイセンの敗退
ヴェルサイユ条約でフランスはドイツ憎しで多額の賠償金を要求
結果的にこれがヒトラー出現の引き金となった
ヴェルサイユ条約の不平等が解決できず、ヒトラーが侵攻を繰り返し、第二次世界大戦へとなった。
ヒトラーの勢いがなくなりつつある頃にアメリカと日本が太平洋戦争へ
その後、ルーズベルトが構想した国際連盟、国際通貨基金などが有効に働き、冷戦はあったが世界大戦は起きずに経過
現代へ。
○最後に
筆者は愚かな指導者が愚かな選択をすることで平和合意が破られてきたと最後に締めていますが、まさにいまウクライナで起きていることでしょう。
今、アメリカがロシアに対して行っている封じ込めは、太平洋戦争前にアメリカが日本に行っていた封じ込めと似ています
また、ロシアにとってバルト海は昔から非常に重要だったことも分かりました。
非常におすすめの本です。