溶血性貧血 レビュー
●最初に
溶血は、急性または慢性の貧血、網状赤血球増加、黄疸として現れる。
診断は網状赤血球増加、非結合ビリルビンおよびLDHの増加、ハプトグロビンの減少、および末梢血塗抹検査所見が含まれる。
赤血球の破壊がが血管内または血管外に生じる。
溶血の病因は後天性か遺伝性に分類される。
溶血性貧血のコモンな原因は、自己免疫、微小血管障害、および感染症である。
免疫介在の溶血は、抗赤血球抗体によって惹起され、悪性腫瘍、自己免疫疾患、医薬品、輸血反応が原因となる。
微細血管性溶血性貧血(Microangiopathic hemolytic anemia)は、赤色細胞膜が血液中で損傷を受けることで、血管内溶血および 破砕赤血球を認める
マラリアやバベシア症などの感染症が赤血球に侵入しうる。
赤血球の酵素、膜、ヘモグロビンの障害は遺伝性溶血性貧血の原因となる。
グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼの欠損は、赤血球膜の酸化的ストレスの原因となる。
遺伝性球状赤血球症は、球状細胞、家族歴、クームス試験陰性が特徴的である。
鎌状赤血球症およびサラセミアは、慢性溶血を特徴とする。
●血管内溶血
膜の破壊が溶血が高度であれば循環中に溶血が起こる。
●血管外溶血
高度ではなければ循環中にダメージを受けた赤血球が脾臓でトラップされて溶血
⇒脾腫になる
溶血性貧血の診断フローチャート
①まずは溶血性貧血らしいかを吟味
間接ビリルビン上昇、貧血、網状赤血球増加、LDH増加、ハプトグロビン低下
②溶血性貧血らしい場合は分類を行う。
●末梢血目視
●直接クームス
この2点が極めて重要
直接クームス陽性⇒自己免疫性溶血性貧血
破砕赤血球陽性⇒微細血管性溶血性貧血 →TTP、HUS、DIC、子癇、悪性高血圧、機械弁など
●破砕赤血球
特徴的な形態⇒サラセミア、鎌状RBC
ほか、目視で芽球などWBCの異常もチェック
輸血後なら、輸血に関連した溶血も
サラセミアの標的赤血球
発熱 →血液培養、血のスメア、バベシア
マラリアとバベシアが重要 旅行歴に注意。
clostridium perfringensの敗血症も溶血をきたすため注意が必要。腹腔内感染や人口流産など。α毒素の放出で電撃性の経過をたどる
●球状赤血球
免疫に関連した溶血性貧血を起こす薬剤(特に高容量ペニシリンに注意)
G6PDの欠乏があると下記の要因で溶血が促進
溶血性貧血の概要