コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

東京北医療センター 岡田先生 EBM WS

6月14日に、同じJADECOMである、東京北医療センター総合診療科の岡田先生に奈良までご足労いただき、EBM勉強会をやっていただきました!
前半は二次資料を用いた情報検索で、後半はジャーナルクラブをしていただきました。
岡田先生のレクチャーは非常に分かりやすく、研修医の皆もEBMに対する理解が深まったと思います。
岡田先生のレクチャーの詳細は以下の通りです。
JADECOMでは今後も全国の指導医が交流し一致団結して研修医の教育に臨んでいきます!!

〇情報検索
up to. dateは教科書
dynamed はデータベース。
up to dateはGoogle翻訳で全部日本語にすると敷居が下がる。
dynamedはいろんなエビデンスが並列してる。効くエビデンスと効かないエビデンスが並列してる。
up to. dateはオススメが書いてるが文章なのが敷居が高い。
dynamedは辞書的に使う。
具体的なエビデンスはdynamed
全般的なアプローチはup to. date

up to. dateは量が多い。まずはサマリーとリコメンデーションを読む
さらに自分が知りたい内容だけ読んで、 飛ばし読みをする
up to. dateの本文を読むときは数字を探す。あるいは具体的に知りたいワードを検索することが重要
up to. dateは論文の内容が羅列されているので、最後の結論だけ見る
エビデンスが乏しい場合にも、どうするかが大切。
目の前の患者と臨床試験の前提が同じかどうかも重要。
副作用も考える。

1 エビデンス
2 患者の意向
3 医療者の経験
4 周囲の状況

という4つの軸で考える。

・クエチアピンはせん妄の予防には使えなさそう。
抗精神病薬は、死亡率を上げる薬なので慎重に投与する
抗精神病薬は入院中にはじめてずっと継続して辞めないのはまずい
セロクエルは50mgを越えると死亡率が上がるかもしれない
・数字が具体的になるほど、モヤモヤする
・個人の経験も重要になってくる

〇ジャーナルクラブ

・隠蔽化 concealment とマスキング masking とはよく混同される.
・隠蔽化は,研究開始前に患者を研究に組み入れる者が,これから組み入れようとする患者がどちらの群に割付けられるか予想できないようにすること
・一方,マスキングは,研究開始後に患者や医師,結果の評価者などが割付け内容を
知らないことである.
・統括しているセンターがある⇒中央割付方式。
・ベースラインが重要で、ベースラインの違いが結果に影響を及ぼす。
・RCTの肝は二つのグループが同じであること。これが崩れると研究が無茶苦茶になる。
・脱落⇒脱落のひとがいればいるほど研究の質が低い。脱落郡がどれくらいいるのか。 
・ITTの本質は内容の入れ替えをしないことで必ずしも脱落郡も解析するというわけではない。
・最初にAと割り付けられたらBという薬を使っても最初に割り付けたAとして解析することがITTの本質
・脱落したひとをどのようなアウトカムとして扱うかは悩ましいし、恣意的になりうる。
・ブラインドは基本的に4重盲検になることが多いが確認必要
・あわてんぼうのアルファエラー  過大評価
・ぼんやりぼうのβエラー  過小評価
・症例数が多ければ多いほど「山は高くなる」
・症例が少なければ「山は低くなる」⇒優意差がなくても症例が足りないだけの可能性。
・プライマリーアウトカム以外の結果は参考程度に考える。

 

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