いっきに学び直す日本史をAudibleで通読しました。
長かった。。
Twitterで日本の歴史よりも他に勉強することがあるだろ笑 的な発言がありましたが、この本を通読して理解できているならば、たしかに不要かもしれません。
ただ、宇宙物理学の本か、いっきに学び直す日本史のどちらも読んだことがないなら、迷うことなく「いっきに学び直す日本史」を読むほうがよいかなと思います。
特筆すべきは基本的に一人の著者が通史を書いているという点。
もちろん、一度読んだだけでは細かい内容は覚えられないですが、一人の著者が書いた通史を最初から読むことに意味があると感じます。
特に、近代(実用編)の内容は現代世界に直結しており読み直すことで得られることも多かったです。
以下、印象に残った点。
・飛鳥時代~奈良時代は特に中国の影響を強く受けていた。特に仏教文化の影響力が大きかった。
・基本的には古代史は米を農民から為政者が収奪し富を蓄える過程であった。
・鎌倉時代には浄土宗や日蓮宗などの新興仏教だけでなく、旧仏教系の忍性などが社会事業を行っていた。
・鎌倉時代には鎌倉と関西の交流が盛んだった。
・南北朝時代の南朝と北朝の問題は繊細な問題。どちらの立場からも考えることが重要である。
・室町時代は日本文化が発展した時代。特に京都の幕府を中心に文化が発展。
・山口は室町時代は文化的な都市だった。雪舟も山口を好んでいた
・室町時代は小さな政府と守護大名の集合体であり、政府の力は弱かった
・江戸時代は鎖国をしていたが、戦争がなかったので文化や経済が大きく反映した
・朱子学が特に重要だった。
・現実に即した文化が発展した。仏教の影響力が江戸時代には薄れて現世的な文化が発展した。
・徳川綱吉は犬のイメージがあるが、朱子学を奨励した将軍という一面もある。
・ただし綱吉の無駄遣いが江戸幕府を逼迫
・江戸は貨幣経済 さらに都市にいる武士や町人は農村からの食料を頼りにするという、現代の原型ともいうべき都市と田舎の分離が進んだ
・江戸時代に承認の一部が力をつけて株仲間を結成。江戸や大阪に蔵屋敷を多数作った
・江戸時代には輸出や輸入が限られていたので、経済圏にも限界があった。
・田沼は賄賂のイメージだが、田沼が商売を促進したことで江戸文化が急速に発展したという側面もあった。
・幕府が経済的に逼迫した背景には農村から確実に米を取り立てることができなくなったことも関連
・さらに薩摩や長州などの外様大名は古い幕府の体制を後目に、有能な若者を次々と登用し、改革を断行し、力をつけた→これが明治維新へ。
・幕末の薩長と幕府の戦いは、イギリスとフランスの代理戦争でもあった。
・明治維新をなしとげた立役者は非常に若かった。海外からの文化を積極的に取り入れた。
・列強の脅威があったが、ロシアはナポレオンとの戦争、アメリカは南北戦争、イギリスはアヘン戦争などの問題を抱えており、日本は空白地帯となっていた。
・空白地帯を利用して、近代国家を樹立した。
・日露戦争や日清戦争はロシアの脅威に対抗するための防衛戦争という側面もあった。
・朝鮮を巡って明治政府内でも対立があった。
・ただし朝鮮併合は当然だが、朝鮮民族の抗日運動を激化させた。
・戦争が経済を回す手段だった。
・明治から大正にかけて、政府と結託した財閥の資本独占が劇的に進んだ。
・政党政治が明治に徐々に出来上がった。
・第一次世界大戦までは日本は連合国側だった。国際連盟でも、日本はむしろ常任理事国の立場だった。
・日露戦争は日英同盟で日本とイギリスの利害が一致したため、実施できた。
・近代化をなしとげた背景には徴兵制や近代兵器などの、軍の近代化が関係していた。
・ただし、世界恐慌をきっかけに、全世界の経済が悪化。日本も経済が悪化。
・日本の投資家は満州や中国に強大な利権を抱えていた。
・戦争による起死回生で経済を回復させようとした。
・大正デモクラシーで文化が発展したが、大正から昭和にかけて軍部が暴走。
・軍部の暴走を止めることができず、満州事変へ。
・以後、国際的に孤立を深める。
・特に、第一次世界大戦後はアメリカとの対立が激化→ABCD包囲網へ
・張作霖の爆殺事件などは、かなり無茶苦茶。さらにそれの責任問題も曖昧に。
・満州事変で軍の暴走は止めれなくなった。
・このあたりの軍の暴走はかなり滅茶苦茶で、国際的に孤立を深める。
・日本はファシズムのドイツ、イタリアと連盟を組む。
・さらに言論の弾圧も強くなり、自由がなくなる。
・教職員の退職も実施。共産党やプロレタリア文学の徒なども逮捕 暗黒自体に
・日中戦争も泥沼化 さらに太平洋戦争へ
・結局、資源もなくなり、国民の生活は困窮 敗戦へ。
・朝鮮戦争などで、戦後の復興をなしとげる。
・特高、財閥などの軍部の暴走に関連した制度は撤廃へ。
・ただし、戦後は富の集中や強行的な日米安保の制定などの、自由と逆のコースも見受けられた。
などなど。
特にやはり昭和初期の軍部の暴走が本当に沈鬱になりますね。
COVID19に関してもデマに類するような意見もありますが、そのような意見であっても自由に言える環境自体が大切ですね。
また先人の積み重ねで今があるということも、改めて理解できました。
お勧めです。