コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

救急勉強会 アナフィラキシーについて

アナフィラキシーの診断基準 Up to Date

1 皮膚、粘膜症状を伴う急性発症の症状で以下の1つ以上がある

A 呼吸困難(例、呼吸困難、喘鳴-気管支痙攣、線条体、低酸素症)

B BP *の低下または関連する末端器官機能障害の症状(例: 、低張、虚脱、失神、失禁)

 

2 可能性のあるアレルゲンへの曝露後に急速に発生する以下の2つ以上(数分から数時間)

A 皮膚粘膜組織の関与(例、全身性じんましん、かゆみ、腫れた唇-舌)

B 呼吸困難(例、呼吸困難、喘鳴、ストライダー、低酸素血症)

C BP *の低下または関連する症状(失神など)

D 持続性の胃腸症状(腹痛、下痢、嘔吐など)

 

3 既知のアレルゲンへの曝露後の血圧*の低下(数分から数時間)

 A 乳児と子供-収縮期血圧が低い(年齢別)*または収縮期血圧が30%以上低下

 B 成人-90mmHg未満または30%を超える収縮期血圧がその人のベースラインから減少する

 

アナフィラキシーの分類 

アナフィラキシー - 国府台病院リウマチ膠原病科

https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/anaphylaxis_guideline.PDF

 

 

蜂によるアナフィラキシーは5分以内が40%程度だが、食物のアナフィラキシーは発症から60分以上かかる症例も20%程度あるため注意。

 

⇒食物によるアナフィラキシーは1時間たっていても油断できない。

 

治療はエピネフリン筋注が最も重要で根本的な治療

アナフィラキシーだと判断したら速やかに使用する。

 

静脈は不整脈のリスクであり原則、行わない。

H1阻害薬、H2阻害薬はあくまでオプション

ステロイドも入院例なら使用しても良いが、オプションというレベル

 

なお、筋弛緩薬による手術室でのアナフィラキシーがあることも知りました。