コミュニティホスピタリスト@奈良 

市立奈良病院総合診療科の森川暢が管理しているブログです。GIMと家庭医療を融合させ、地域医療に貢献するコミュニティホスピタリストを目指しています!!!

Gノート 2020年8月号 Vol.7 No.5 ちょっとの工夫で大きく変わる! 問診力UPのSmall Teaching

[鋪野紀好]のGノート 2020年8月号 Vol.7 No.5 ちょっとの工夫で大きく変わる! 問診力UPのSmall Teaching

 

Gノートの特集で、「問診特集」が出ました!

私も記載させていただいています。

問診での職人的なスキルが言語化されており、非常に素晴らしい特集です。

実は、問診の時に非常にいろんなことを考えているんですよね。

問診は過去を追体験してイメージ化するということが非常に重要になります。

特にTime courseとOnsetなどの時間経過を意識して、ありありとそれをイメージし認識する作業なのかなと思います。

なお、臨床推論でいえば困難症例に立ち向かうためには逆にコモンな病態を愚直にアセスメントし続けることが重要です。

風邪を風邪だと適当にこなすのではなく、根拠を持ち風邪と診断し、風邪以外の病気ではないとしっかり判断するということです。

つまり、日々の臨床でコモンな病態のアセスメントを愚直にやりつづけると、アンコモンな病態の嗅覚が逆に研ぎ澄まされる気がします。

さらにBPSモデルを用いて、心理社会的問題の比重が高くないかも同時並行でチェックしていきます。

アンコモンなプレゼンでさらに心理社会的問題が乏しければ、それはレアな疾患≒ホンモノである可能性が高いです。

そして、これは「ホンモノ」だと思ったらスイッチが入って、そこから病態や解剖に思いを巡らしつ追加問診、鑑別を意識した追加検査を行います。

そしてそれでも分からなければ専門医に聞いてみつつ、見放さず外来でフォローし続け何か新たな兆候がないか観察し、必要に応じて検査したり、あるいは治療反応性を確認することで道が開ける。。

というなんというか地味な作業なのかなと思います。

頭の良さというより粘り強さが要求される気がします。

本筋から外れましたが、問診力を高めたいかたにお勧めです!!