http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1611688#t=abstract
P:症候性末梢動脈性疾患
I:チカグレロル 90mg×2 /日
C:クロピドグレル 75mg×1/日
O:判定心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中の複合エンドポイント
大規模のRCT double blind
○結果
平均年齢は66歳
・プライマリエンドポイント
チカグレロル 10.8%
クロピドグレル 10.6%
Acute limb ischemiaや出血も両郡で変わりなし。
症候性末梢動脈性疾患にチカグレロルをあえて導入するメリットは特になさそう
P:スタチンを内服中で冠動脈疾患を有する患者
I PCSK9阻害薬エボロクマブ(レパーサ)420mg/月
C プラセボ
O 冠動脈のアテローム体積の変化(PAV)
多施設のdouble blindの大規模RCT
○結果
・LDL
エボロクマブ 36.6mg/dL VS プラセボ 93.0mg/dL (p<0.001)
・PAV
エボロクマブ 0.95 減少 VS プラセボ 0.05%増大 (p<0.001)
ちなみに日本では、68844円/月薬価がかかる計算
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201604/546561.html
解釈
プライマリーアウトカムが心血管イベントではなく、代用アウトカムであることに注意。また薬価の問題もある。家族性高コレステロール血症など特殊な状況でのみ使用する薬の印象
Early start of DOAC after ischemic stroke
P 最近脳卒中またはTIAを発症し非弁膜症性心房細動がある
I 発症後7日以内にNOAC or ワーファリンを投与
C 発症後7日以降にNOAC or ワーファリンを投与
O 脳卒中、脳出血
後ろ向き研究
○結果
204人のうち155人がNOACを投与。
NOACの100人が早期投与、55人が後期投与であった。
脳出血はワーファリンを投与した患者でのみ起こった。
NOACでは脳出血は起こらなかった
脳卒中の再発率は早期に投与しても(年間5.1%)、後期に投与しても(年間9.3%)で大きな差は認めなかった(P=0.53)。
○NOACは心原性脳梗塞の急性期でも安全に使えるかもしれない。しかし大梗塞は除外されている。追試を待ちたいところ。
US Emergency Department Visits for Outpatient Adverse Drug Events, 2013-2014. - PubMed - NCBI
薬物有害事象による救急受診に関する58ヵ所における4万2,585例のデータを解析した後ろ向き研究
薬物有害事象のための2013~2014年の救急受診は年間1,000人当たり4件で27.3%が入院になった。
うち46.9%で、抗凝固剤、抗生物質、および糖尿病薬が原因薬剤だった。
抗凝固薬は中等度から重度のような出血、抗生物質はアレルギー反応、糖尿病薬は低血糖が問題になった。
65歳以上では、抗凝固薬、糖尿病薬、オピオイドの3種類が問題になった。
小児では抗生物質が問題になった。
抗凝固薬では(ワーファリン、リバロキサバン、ダビガトラン、エノキサバン)の4つが問題になった。
Beerクライテリアで高齢者で避けるように言われている薬は救急外来を受診した有害事象の1.8%に過ぎなかった
○コメント
従来の研究とよく似た結果。。 ただ日本と違ってアメリカではオピオイドが多い。抗凝固薬、糖尿病薬は同様だろうが、日本で同様の研究をすれば、オピオイドよりも活性型ビタミンDのほうが問題になるのではないか。。
http://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/article-abstract/2587114
P 心房細動の患者で肺静脈アブレーションを行った
I 抗凝固を行う
C 抗凝固を行わない
大規模コホート研究
合計1585人を解析 平均2.6年追跡
○結果
平均年齢は59歳、平均の CHA2DS2-VASc scoreは 1.5
・CHA2DS2-VAScスコアが2以上の患者
ワルファリン治療を中止した患者場合に虚血性脳卒中発症率が高かった年1.6%VS 年0.3%]
・CHA2DS2-VAScスコアが2以上で以前に虚血性脳卒中を経験した患者はワルファリン治療を中止した場合により脳卒中リスクが高かった
ハザード比4.6% VS ハザード比13.7% P=0.007
→コホート研究だが、アブレーションを行ってもリスクが高ければ抗凝固は継続したほうが良いと思われる。